• ゲスト発言

第220回J.I.フォーラム 産業革命から「1.5℃」の気温上昇! 可能か。できなければどうなる。  2016/01/28(木)開催
ゲスト 岩谷 忠幸 (気象キャスターネットワーク)

亀山 康子 (国立研究開発法人 国立環境研究所)

水口 哲 (博報堂)   

コーディネーター : 加藤 秀樹(構想日本代表)

【議事概要】第220回「J.I.フォーラム」

「産業革命から「1.5℃」の気温上昇!可能か。できなければどうなる。」

日時:2016128

於:日本財団ビル

 

<ゲスト>

岩谷忠幸(気象キャスターネットワーク)

亀山康子(国立研究開発法人 国立環境研究所)

水口哲(博報堂)

 

<コーディネーター>

加藤秀樹(構想日本 代表)

 

<概要>

220J.I.フォーラム「産業革命から「1.5℃」の気温上昇!可能か。できなければどうなる。」では、気象キャスターネットワークの岩谷忠幸氏、国立研究開発法人国立環境研究所の亀山康子氏、博報堂の水口哲氏の3名をゲストに迎えた。

 

加藤 220回目です。今日は構想日本と地球人間環境フォーラムの共催です。みなさまご存知だと思いますが、今日は昨年末開かれたCOP21で採択された「パリ協定」についてです。ごく簡単にいいますと2020年以降の温暖化対策の世界のルールの枠組みについて決めたということです。世界中のほぼすべての195か国が合意しました。国ごとに目標を決めて、達成することを義務付けたということです。ただし、各国ごとの目標設定の義務化はなかったわけです。その辺りを今後実行していくにはどうするか。

 産業革命以降の気温上昇が現時点で1度くらい。それを2度未満、かつ1.5度にできるだけ近づけようというのが全体の目標です。COPはこれまでに21回会議が行われているわけですね。遡れば、20年余り前にリオの地球サミットが開かれたのがご記憶にあると思います。そこで採択されたのが、気候変動枠組み条約。COPはそれに基づいて始められ、第3回の97年に京都議定書が作られたんですね。

 日本語で法令と言います。法律で大きなことを決めて細かいことを政令、省令に委ねている。条約に基づいて詳細を定めたものを議定書と言います。しかし、京都議定書にはアメリカは批准せず、中国、インドも入ってなかったし、途上国も入ってなかった。その結果機能しなかった。今度はそれらの国が全部入っている。そのような背景の中で決まった条約を見て、今我々は何を考えなければいけないのか。いろんな話をしていただければと思います。

 

岩谷氏 NPO法人、気象キャスターネットワークの岩谷です。役割としては、行政が出した情報を、普段私たちは天気予報をしていますので、メディアを通じてわかりやすく伝える、そういう意味で専門家と市民の橋渡し、コミュニケーターをしています。今日の前半の話は最近の気象ということで、お話ししたいのですが、記録的な寒波ということで、沖縄本島でも史上初の霙を発表し、多くの皆さんが寒いということを実感して、報道を通じた記録が出ているのも事実です。しかし、よく見ていただくと(資料:地域平均気温平年差の5日移動平均時系列)、最近は寒いですが12月までは暖かく、ここ最近が寒いだけで、暖冬であるわけですね。

 世界で見ても(資料:最近の平均気温、平年差(2016120日〜26日))、地球規模で見ると寒くなく、たまたま日本が寒いだけ。全体で見ると決して寒くない。

 過去130年くらい見ると、去年は観測史上最も気温が高かった。だから長期的には気温は上昇していて、去年は最も高かった。エルニーニョ現象が重なって顕著な高温になったのです。今年も続いているので高くなるだろうということです。長期的にも高いということが続いています。

 去年、鬼怒川の堤防決壊がありました。関東で1級河川が決壊するとは想定してなかったと思いますが、大きな災害が起きています。線状降水帯という状況ですが、この下になるのは気温が高くなるほど、水蒸気が多く含まれるので、大雨になりやすくなる。最近気象庁では特別警報というのを発表するようになりましたが、過去3年間で9つの道府県で発表、本当は50年に一度なのに頻発しすぎですね。

 大雨の降る回数が増えてきている。長期的にも大雨の回数が増えてきていて、災害が増えてきているんです。昔に比べて1000人の方がなくなるということはありませんが、大雨の回数が増えていて、その要因には地球温暖化が関係しているということがあげられるんだと思います。

 

水口氏 自己紹介に関しては、案内文をご覧下さい。英語のチラシが一枚、お手元にあると思います。「持続可能な都市への理論と実践」(原題:Theory and Practice of Urban Sustainability TransitionSpringer3月発売予定)です。二酸化炭素を減らしながら、経済や市民生活はもっと充実させる。そんなまちづくりの事例と理論を世界中から集めたシリーズの第1巻で、欧州の仲間とつくりました。その実例に関しては、後ほどスライドでご覧いただきます。

 パリ協定ですが、中身のきちんとした紹介は亀山先生からあると思います。私は、現場を取材し、映像を撮ってきましたので、それを見ていただきます。これが、会場の入り口、そして会議場内、それからメディアセンターの様子です。この方は、IPCCの新しい議長です。IPCCは、2018年に特別報告書を出します。パリ協定では世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べて「2℃を十分に下回る」との目標を掲げました。「十分に下回る」場合の影響とその実現方法に焦点を当てた内容の報告書です。

先ほどご紹介したSpringerのシリーズでは、IPCCの報告書に引用される論文を輩出したいと思います。

最後にお見せする映像は、最終日の午後、ファビウス議長が「全員参加で、意欲的な合意が出来た」と宣言したときのものです。実は、この時は、合意を記した紙は、政府代表も記者も見ていません。

 

亀山氏 国立環境研究所の亀山です。宜しくお願いします。パリ協定とはどういうものかご存知だと思うので、なぜ合意に至ったのか、ご説明させていただきます。一番よく言われますのは、2009年のCOP15コペンハーゲンを繰り返さないということを強く思っていたということです。何らかの合意に至るだろうということはかなり前から言われておりました。これほど多くの国が合意するとなるとどれくらいアンビシャスな合意になるか不安でした。蓋を開けてみると悲観的でなく、かなり前向きな、前進的な合意に至りました。なぜこれだけまともな合意に至ったのかという観点を説明させていただきます。

 表は各国の排出量を示しています。枠組み条約と京都議定書の時はアメリカが一番にきていて、三番目にロシア、四番目に日本、これらの国から先に減らしていかなくてはいけないということが言われていました。

 今は中国が伸びてきた。この5年間で起きた変化っていうのはすごく大きい。従来はヨーロッパが積極派でアメリカが消極派、途上国側では島国だけは自国がなくなるということで積極的だったのですが、中国が先進国叩きをするわけです。当然のことながら産油国、OPECも減らさなくていいと。こういう大きな南北対立がありました。これが今までの構造ですよね。

 それが今回、かなり変わっているわけですよね。途上国グループが変わっている。一部の新興国が積極的になってきている。コペンハーゲンの時に一番問題と言われた中国が変わってきている。先進国ではアメリカが変わった。オバマ政権がかなり引っ張っている。なんでいい合意ができたのかという理由として二つ。一つ目は異常気象などが起きているということが一般の方々にも染み入っているのが背景にある(異常気象など温暖化影響と見られる現象の増加による意識の高まり)。いろんな国がハイアンビション・コアリションという国の連合体にどんどん参加しているが、日本は最後まで入らなかった。というのも2度は無理なことだろうということ。ヨーロッパが外交的に上手いのは、先進国が1.5度と言っても中国インドは入らないけど、そこに島国とか途上国を巻き込んで1.5度と言うことで、中国インドが降りなければいけなくなる。

 アメリカが一番嫌がったのが、ロス&ダメージ。温暖化対策の一つとして緩和策がある。温暖化の影響を防ぐために適応策が取られます。いくら適応しても被害が起きることもありますよね。堤防を高くしても被害が起こるということがあります。ではそういう時にその被害を誰が補償してくれるのですかというのがロス&ダメージです。これを補償するのは先進国でしょということで島国が主張するのですが、これを受け入れるとかなり支出が増えかねない。だからアメリカは否定的でしたが、これをアメリカが受け入れるようになっていく。それでインドも懐柔していく。3点目は、先進国が否定的だった資金供与に関しても数値目標設定を受け入れたこと。基金ではなく先進国の企業が毎年1000億ドルを出す。お金の金額を書き込みたいというのが書かれた。他方、途上国も5年ごとに約束草案を提示し、報告することが義務化されました。

 なぜ合意に至ったかの二つ目が、アメリカと中国が変わったということ。一番大きなことは、環境が両国にとってコストになるのではなくて、双方に経済的メリットが出るというように変化している。アメリカは国内でシェールガス革命が起きている。再生可能エネルギーが落ちかけていたが、今はシェールガスと再生可能エネルギーの二つでやっていこうというほど価格が追い越している。コストとしてもメリットがあるわけだからやっている。あとオバマさんについてよく言われるのが、あと1年だからレガシーを出したいと。それとよく言われているのがローマ法王の回勅ですね。カトリックの原理的な経験な信者は地球というのは神様が作ったわけだから人間が何をしても影響できないという考えがあるが、これが回勅で変わってきている。

 中国も中国内の大気汚染など差し迫った問題がある。炭素税を入れようとしているけど、これは国内の貧富の格差を是正するためにやるということを中国高官は言っています。

 中国とアメリカがそれぞれ温暖化対策をすることがベネフィットであると思ってやっている。

 日本国内で問題になっているのは、京都議定書の二の舞になるのではないかということです。国内でどれくらい実行計画をするのかということを懸念している。

 

加藤 ロス&ダメージについてアメリカが変わったという背景はあるんですか?

 

亀山氏 これは外から見ていてですが、途上国にとって交渉材料として大きいということがあります。

 

加藤 背景となっている国際情勢の変化がよくわかったと思います。経済力とセットで出てくるいろんな問題に対して中国を含めて真剣に対応しなければいけないという状況になってきたということなのかなと思います。もう一度もとに戻って、気象の関係で、我々も現実的に考えたいなと思います。今後、そうは言っても温暖化が進むとどうなるのか、生活を考える上でこんなことが起こるよということをお話ししてください。

 

岩谷氏 基本的なところから。IPCCの第5次評価報告書中の資料でお話ししますが、将来予想として、現状以上の温暖化対策を取らなかった場合は最大4.8度上昇、厳しい温暖化対策をとった場合、最大で1.7度上昇する。この厳しい対策というのは排出量ゼロなので相当厳しい。影響としては、農業とか、いろんなことに影響が出ると思います。じゃあ何度で止めたらいいのかということと、累積の排出量の関係というのはだいたい比例関係にある。だから何度ということが決まれば総排出量が決まる。例えば2度と決まると、総排出量は3兆トンで、すでに累積で2兆トン出している。

 そういう意味で緩和策と適応策が必要となる。ここでは特に適応策を説明します。実は温暖化に対する意識調査はどうかというと、日本の東京が一番意識が低い。インドとか中国の方がいろんな被害、影響が出やすい地域です。日本は多少大雨が降ってもインフラが整っているので意識が高くならない。逆に言うと大きな災害が起きた時には適応できないと。温暖化、気温が上がるということで、一番大きな災害は熱中症も大きな気象災害で、多い年だと1700人くらいの方が亡くなっています。8割がたは高齢者ですが、多くの方が亡くなっている。もう一つはスーパー台風と言われる勢力の高い台風の影響。温暖化に伴って海の温度が上がれば非常に発達していきます。

 鬼怒川の去年の決壊によって、水防災に対する意識を変えなくてはいけないということに方針が変わってきている。早く情報を得て、リスクを考えて避難するということが重要になってきている。今後は強い台風が来る。台風というのはある程度予想できますので、おそらく1〜2日前からアメリカでいう非常事態宣言が起こります。そのために今、国がタイムラインの策定に入っていると思います。企業、自治体でもこれから計画ができていくんだと思います。

 なかなか皆さん、意識が上がってないように思います。防災は都合よく解釈してしまう。宝くじよりも当たるので、日頃からの心構え、訓練が重要となります。

 国だけでは、堤防だけでは厳しい。自助、共助という言葉がありますが、まずは地域や企業の共助が大事。地域ではコミュニティを強くする必要がある。高齢化していたりするので、地域の活性化も必要となる。地域の適応策を考える上ではそういうことも考えなければいけない。

 

水口氏 平たく言うと、パリ協定には、「人間が出す二酸化炭素は、今世紀中にはゼロにしよう。ゼロにしつつ、経済は成長させ、暮らしは楽しくしよう」と書いてあります。IPCCの第5次評価報告書にも、同様の内容が記載されています。これは現実に、それに向けた取組があるからです。これからスライドで、「二酸化炭素ゼロを目指す自治体の風景」をご覧いただきます。省エネではなく、ゼロ・エネルギーを目指しながら、経済も暮らしも豊かにしようという取組です。

 最初は、「照明、暖房、冷房、移動」のゼロ・エネルギー化です。これは、コペンハーゲン大学の大学事務棟の、11月の午後5時の写真です。天窓からの明かりで、資料が読めます。隣は、同市の公民館で、午後3時です。天窓からの明かりがさんさんと降り注いでいます。天窓ですから、電気照明はゼロです。同市は、2030年までに二酸化炭素の排出をゼロにすると宣言しています。

 次は暖房です。写真は、ファルケンベルグ市(スウェーデン)の太陽熱暖房器です。鉄の箱の中で温められた空気がアパート内を温めます。冬は零下5度になる地域ですが、これと高断熱設計で冬を乗り切ったそうです。

次の写真は、12月のパリの生活保護世帯用のアパートです。ベランダを二重ガラスで覆いました。一部屋増えたようなもので、写真の男性はソファーでくつろいでいます。高断熱高気密の住宅は住宅以外にも広がっています。屋内テニスコート(ベクショー市、スウェーデン)、オフィス(同)も高断熱高気密設計のため、ほとんど暖房は不要です。地域暖房で、熱を大量生産し、各家庭に届ける仕組みも普及しています。この写真はコペンハーゲンです。燃料は、重油からゴミやバイオマスに転換中です。

 次に冷房です。スウェーデン、ドイツ、オランダの写真を見ていただきます。風通しを良くする。建物を高密度化し、日陰をつくる。高層ビルでもひさしを使う。緑地や親水空間で冷やす。どれも電気エネルギーが不要です。エアコンをなるべく使わない冷房を目指しています。夏は30度を優に超えるようになった欧州で、そうしたまちづくりが増えています。

 移動ですが、カーゴバイク(荷車付き自転車)だと子供やちょっとして家具も運べます。雪でも平気です。コペンハーゲンでは、自転車道から優先的に除雪します。自転車を、電車、地下鉄、バスに乗せることも出来ます。徒歩と自転車、これも化石エネルギー使用はゼロです。列車やバスの燃料をバイオマスにする自治体も増えています。IPCCの第5次評価報告書は、「北欧では、交通部門でバイオ燃料が普及段階に入った」と記述しています。

 これはパリの写真です。“大江戸線”を2路線延長する工事をしています。地下鉄を掘りながら、地熱のポテンシャルも探っています。地熱都市を目指しているそうです。

 今までお見せした写真ですが、共通するのは、彼らは、気候変動対策をそれ単独でやっているわけではありません。福祉、交通、経済、エネルギーの各政策とつなげて実施しています。

 これからお見せする生活保護世帯用住宅は、フランス、フィンランド、スウェーデンのものです。何れも断熱改修を行い、暖房費が少なくても快適に過ごせるようにしています。費用は、電力会社から取り立てる制度(エネルギー効率改善証書)と炭素税が主力です。生活保護世帯用の住宅ですが、私の自宅よりもずっと広いです。

認知症予防を兼ねて、老人が出演出来る劇場を併設した住宅団地(マルメ市、スウェーデン)もあります。認知症になった人でもバスに乗れる、図書館や市役所を利用できる、スーパーで買い物が出来る、そのために関係者をトレーニングしている自治体(プリマス市、イギリス)もあります。

 二酸化炭素をゼロにしながら、楽しく暮らすことは可能なのです。

 

加藤 意識の高い個人というのではなく、町ぐるみでやっている?

 

水口氏  そうです。まちぐるみでやる。それに加え、民間経済で回すためのお金の仕組みがあります。自治体には、見本となる地区を設計する補助金があります。補助金を得た自治体には、他の自治体にノウハウを伝える義務もあります。

住宅の断熱改修などのお金は、電力会社から取ります。炭素税も使えます。まちの緑化、親水空間の整備は、税金も使いますが、不動産価値があがるので、民間のデベロッパーもお金を出します。日本と違うのは、住宅の価値が、購入後に下がりません。3000万円で購入した住宅でも手入れを定期的に行うと、20年後には同等か数倍の値段で売れるのは珍しいことではありません。貯金するよりも、住宅に投資した方が得なのです。住宅の価値を守るために気候変動対策を行っている面もあると感じます。そして住宅の価値を守るのは、個人の自由と財産を守る近代憲法の原理だとも感じます。

 

 

加藤 多分という程度ですが、今のはヨーロッパですよね。今出てきた町での行政ということでは、財政規模は日本の行政よりも規模は小さいと思います。なので日本はお金がないわけではないです。さっきの岩谷さんの話みたいに、対処療法的にダムをとか堤防をということになる。使い道が多分違うんだろうなというのが感想です。

 亀山さんから今回のパリ協定が合意に至るお話をいただきましたが、今の水口さんの話の流れなんですけど、我々日本人は昔から環境に優しいとか、自然と馴染んでいるとか思っているわけですね。しかしここしばらくの間に遅れてきているわけですね。その辺りの日本と外国を比べてこんな感じだということをもう一度お願いします。

 

亀山氏 ぜひ一つ申し上げたかったのは、いつの間にか日本人の温暖化関心が非常に低くなっているということです。一つの例を申し上げますと、去年デンマークのNPOが中心となって世界で同じアンケートをしているんですね。日本は科学未来館の方がやったんですが、温暖化に関心がない人を集めて、少しレクチャーしてアンケートとっている。ワールドワイドビューというのですが、温暖化が大切というのに丸をつけているのが日本が途上国と比べて非常に低い。日本とロシアは温暖化対策がコストであるというふうに丸をつけている人が多い。いくつか原因はあると思いますが、原発問題があって、強く温暖化のことが言いづらかったということがあると思います。日本の温暖化排出量は世界の4%しかないんだからとか、日本は省エネが進んでいるんだということとか言われますが、日本は、かつてはGDPあたりのエネルギー消費量日本がトップランナー(最もエネルギー効率が良いという意味)だったんですが、今は多くの国に追いつかれている。けれどそれを一般の人が気付いていない。今からこれをやって世界に打って出ないと経済的に負けてしまうよということを言っていかないといけないと思います。

 

加藤 同じ生活を続けていて使うエネルギーを絞っていくというのでは足りなくて、世界の趨勢が変わっていて、もっと根本的に変えないといけない。

 

亀山氏 日本は、エアコンとかテレビとか単体で見るといいのかもしれないけれど、余計な機能が付いていたりとか、そういうところを向き合っていかなければいけない。

 

<質疑応答>

質問者1(コシヤマさん) 質問ですが、特に加藤代表に頑張っていただかなければと思っていますが、COPの日本での報道、政治家の発言がほとんどなかった。ほとんど政治家が興味ないということは、国民もほとんど興味ない。環境の問題と原発の問題、省エネの問題は別々なんだけど、一緒に議論しなければいけない。これを合わせて議論する場というのを加藤代表に作ってもらわないと、その辺を頑張っていただきたいと思います。

 

質問者2(マスダさん) 炭素税が財政上の再分配機能を担っているという話。日本で炭素税を導入しようとすると、広く消費者では受け入れらないないと思います。これがヨーロッパでは受け入れられるのはなぜか?国民性か?日本で受け入れられるには何が必要か。

 

亀山氏 日本の炭素税はもう導入されていますよね。本来日本の炭素税は値段が少し上がったくらいじゃあまり需要も変化しないだろうという予想や反対もあって、税率としては非常に広く薄くですね。広く薄くとるから税収は減らないけれど、CO2を減らすような対策に充てることで温暖化対策をするとしている。逆に税収を何か違うところに持っていくという議論をするのであれば、税率が高くてもみんなが受け入れられるような筋が必要となる。今の日本は消費税だけで精一杯で、そこまで行けない政治状態になっていると思います。

 

加藤 さっきのご意見に対する一つの説明でもあるんですけど、私はこれを政治家とか役所とか誰か悪者を見つけるというつもりはないですが、環境省の責任というのはやはり大きいと思うんです。環境省の責任が大きいというのはどういう意味かというと、本来は環境省というのは、すべてのこと、農業であろうが産業であれ、医療であれ、環境という視点からどう整理し、改善していくかということを考えなくてはいけないんです。スタートの頃に入った人からはそういうエネルギーを随分感じていました。今や省に格上げになり、予算が増えたのはいいのですが、結果的にその予算を使うことに目が向いてしまっている。例えば温暖化対策やりましょうというイベントがいっぱいあります。事業仕分けで最初に環境省の事業を対象にしたのは河野太郎さんですが、仕分けという観点からいうと不要な事業が沢山あります。仕分けは環境に否定的なのではなく、本来の環境行政に目を向けてほしい。ですから先ほどのご質問についてももっと強力に環境税というものの意味とかをはめ込んでいけるかが行われていないということだと思います。

 

質問者3 結局今後、1年に100数十兆円規模の資金を集めてやっていきますよということなので、国民からお金を取らないと温暖化対策ができないという話ではないということを伝えたいと思います。世論の形成という意味でローマ法王のような幅広い人の意見が結びついてないというのが日本の問題だと思うのでそういう活動をしていただきたいと思います。

 

質問者4 立川で保育園をやっています。教育とか木造校舎が出てきたんですけど、いざやろうとすると、総論ではいいよねと行政もいうが、いざやろうとすると地震などもあるからコンクリでなければとか、ISO14000をとったりとか、各論になると規制が出てくるのでそういうものを環境省や各省を含めてやれるように枠組みとか前に進めていくようにしていくようにしたいです。

 

岩谷氏 規制はわかりませんが。教育の面で言わせていただくと、小さい頃から気候変動や温暖化について幼稚園からやるといいのかなと。価値観はそこで決まってしまうのかなと。これから幼稚園とか小学校低学年に携わっている人にはやってほしい。我々も幼稚園とか行くんですけど、無理でしょと言われるんですが、通じるんですね。こういうことをするといいというと、家に帰って必ず行動する。津波が来たら走って逃げるという真似をさせると必ずやる。省エネだけではないですが、環境のことを言うと家で実行に移す。その辺の教育をもうちょっと頑張らないといけない。

 

加藤 例えば教育ですよね。教科書の中にそういうことを入れる、それを文科省に任せるのではなくて、環境省もそこにすべてについて口を出す。それが本来の環境に関する統合調整官庁。建築に関しても全く同じなんですよ。なかなかいうことを聞いてくれないかもしれないけれど、それでも行かなければいけないんです。相手が国交省であろうと文科省であろうが。それが残念ながら出来ていない。もちろんそれだけではないですけど、そこが残念なところではあります。

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