• ゲスト発言

第228回J.I.フォーラム ー参院選当選議員に聞くー  2016/09/27(火)開催
ゲスト
石井 苗子  (日本維新の会・比例代表選出)

伊藤 孝恵  (民進党・愛知県選出) 
  
伊波 洋一  (無所属・沖縄県選出)
    
片山 大介  (日本維新の会・兵庫県選出)

木戸口 英司 (生活の党と山本太郎となかまたち・岩手県選出)
      
杉尾 秀哉 (民進党・長野県選出)          
      
コーディネーター : 加藤 秀樹(構想日本代表)

【議事概要】第228回「J.I.フォーラム」2016.09.24               於:日本財団ビル 

「参院選当選議員に聞く」

<ゲスト>
石井苗子  (日本維新の会・比例代表選出)
伊藤孝恵  (民進党・愛知県選出) 
伊波洋一  (無所属・沖縄県選出)
片山大介  (日本維新の会・兵庫県選出)
木戸口英司 (生活の党と山本太郎となかまたち(自由党)・岩手県選出)
杉尾秀哉 (民進党・長野県選出)          

<コーディネーター>
加藤秀樹(構想日本 代表)

<概要>
第228回J.I.フォーラム「参院選当選者に聞く」では、先の参院選で新たに当選された、日本維新の会・比例代表選出の石井苗子氏、民進党・愛知県選出の伊藤孝恵氏、無所属・沖縄県選出の伊波洋一氏、日本維新の会・兵庫県選出の片山大介氏、生活の党と山本太郎となかまたち・岩手県選出の木戸口英司氏、民進党・長野県選出の杉尾秀哉氏の6名をゲストに迎えた。

加藤 今日は228回目のフォーラムです。前回は落選者に聞く会でしたが、今回は当選議員に聞く会です。少人数で密にコミュニケーションが取れればと思います。今日は自民党の新人議員の会と重なってしまい、野党の議員のみになってしまいましたが、臨時国会も始まったことですし、皆さんどのような思いを抱いて議員になられたのか、議員になって2カ月が過ぎた感想や、選挙で工夫した事などを伺えればと思います。

石井 何をするために議員になったかを具体的にとのことですが、私が公約に掲げてきたことは二つあります。一つ目は「現場の声を国会に」、もう一つは「母親の声を国会に」ということです。現場の声を国会にということについては災害認定保健師の制度を作りたいと考えています。東日本大震災後、保健師として1,075人の看護師や保健師を連れて、医療支援を行い、行政に被災者の健康状態をデータとして蓄積していくという仕事を5年間やってきました。そして5年目に熊本地震があったのですが、被災地は被災後3週間の対応が重要なのにもかかわらず、行政は災害から何一つ学んでないように感じました。具体的には災害時に限定して活動できる災害認定保育士の仕組みを作ろうと考えました。一旦災害が起きた時、その地域の暮らし方や地理などの状況を把握して対応できるのは保健師なのですが、数が不足し、災害時には疲弊してしまいます。災害に特化して対策ができる保健師を作りたいと考えています。二つ目の母の声を国会に届けるということですが、災害で教育を受けられないという子ども達を多く見てきましたので、教育費の無償化を実現していきたいと考えています。
 議員になって2カ月が経過した感想、とくにがっかりしたことやすぐにできたことは何かという質問については、議員になって福祉や介護について関心があり厚生労働委員会に所属を希望しましたが、実際には決算や環境委員会に所属することになり、最初は戸惑いましたが、今は新たな分野で頑張っていきたいと思っています。また、嬉しかったことは維新の会の選挙応援に行かせていただいたことです。
 選挙で苦労したことは、40日前に立候補が決まり、事務所もスタッフもいないという状況で選挙戦を始めなければならなかった事、女優をやっていたために撮影と間違われ、その都度事情を説明しなければならなかったことなどがあります。工夫したことは、何か目立つことをしようと、鈴なりの鈴を振りながら走ったことです。また浅草の応援団がついてくれて元気よく応援してもらえたことです。

伊藤 私は自ら手を挙げた公募候補です。立候補した理由としては、1歳の娘が生まれたときに耳が聞こえないかもしれないと言われ、母親としてどういった学校で学ぶのか、どういった働き方があるのか、自分が死んだ後にどういった社会で生きていくのかなどを必死に調べていく中で、たまたま民進党の公募のサイトを見つけ、そこである女性の議員の「政治家というのは子どもの未来を作ることが出来る。納得いかない制度や法律を変えることもできるし作ることもできる」という言葉を見て、立候補する決意をしました。選挙中皆さんにお約束したことは、子ども達が親の所得や、障がいによって教育を制限されず、勉強を頑張れば将来どこにだって行けるし、何にだってなれると大人が堂々と言える、そんな教育環境を整備していくことです。また母親の立場として思うのは、子どもたちの幸せは、母親が笑っている事だと感じます。今ダブルケアなどで苦しい状況に置かれている母親が笑顔になれるよう、育児や仕事、介護の両立が息苦しくない社会を作るということも約束しました。
 一番苦労したことは、選挙期間まで3カ月しかなく、時間も知名度も政治経験もない中での選挙で、演説会や討論会にもなかなか人が集まらなかったことです。一番工夫したことは、とにかく会ってもらうしかないと考え、10万人と握手し、目を見て訴えていくという活動をしてきたことです。街頭演説をして、握手を繰り返す中で、体重が激減し、日焼けをして、選挙ポスターと見た目が変わってしまうほどでした。チャレンジしてみたことは、私の選挙を手伝ってくれる友人は子育て中の人が多かったので、事務所の一部をキッズスペースにして、ウサギを飼いました。ウサギを飼ったのは、私がウサギ年生まれであり、次女の耳のことが立候補のきっかけになったこと、そして小さな声にも耳を傾けたいとの思いからです。緊張感のない選挙事務所だと言われましたが、結果として子どもや母親が沢山集うスペースとなったのはよかったです。

伊波 私が議員になった目的は沖縄の抱える基地問題の解決です。また私個人としても、日本の安全保障はこのままでよいのか、下手をすれば南西諸島が戦場になりかねないと考え、外交や安全保障の問題についてしっかり議論したいと考え、立候補しました。これまで市長や県会議員として防衛省やアメリカに行き交渉する中で、日本は米軍のこととなると本当のことが議論されてないように感じます。沖縄にいると良く分かるのですが、色々な問題が米軍の壁に阻まれてしまっています。
 議員になってよかったことは、県民の集会で必ず指名を受けて挨拶ができるということです。また、私が所属している外交・防衛委員会では北朝鮮の核実験があったために、議論が始まっており、そこで初めて沖縄の基地問題について議論が出来ました。
 少し沖縄で実際に何が起きているかをお話ししたく思います。米軍基地の問題を巡っては、日米地位協定に注目が集まりますが、他にも様々な制度があります。例えば日本環境管理基準というものがあり、アメリカは世界各地に基地を置いていますが、その基地が地域の環境に影響を与えてはならないという基準を1996年に決めています。ところが日本はこれをほとんど表に出しておらず。私が質問して2016年版も初めて公開されました。この基準には細かいことが書かれており、絶滅危惧種の条項では、米軍基地は絶滅危惧種の保全や資源管理計画を作らなければならないと書かれています。高江は防衛省の自主アセスメントで、絶滅危惧種で特別天然記念物のノグチゲラの営巣木が多数あることが確認されているにも関わらず、現在基地建設が進められています。この基準についてきちんと運用されているかと聞くと、防衛大臣・外務大臣は答えられず、所管の部署は把握できていません。このような問題を任期の6年の中で明らかにしながら、米軍との関係で本当に国民や環境を守る立場で議論できているかを外交・防衛委員会で検証していきたいと思います。幸いなことに議会の権能は強く、国会図書館や委員会には調査チームがあり、きちんと調査の結果を出してくれます。こういったことを通して、他の議員にも本来の米軍基地のあり方を追求していきたいと思います。
 最後に選挙についてですが、私の選挙は1カ月前にスタートしたのですが、島ぐるみ会議やオール沖縄を含め、多くの県民が自主的に応援をしてくれて勝つことが出来ました。事前の予想を覆して大差で勝利が出来たのも、それだけ沖縄の人が基地負担の軽減を願っているということが現れた結果だと思っています。それを活かして頑張っていきたいと思います。

片山 私が何をするために議員になったかですが、記者として取材をしているときに政治と国民のニーズとの間に大きなかい離があると感じました。例えば私には3人の子どもがいるのですがなぜ教育費はこんなに高いのか、なぜ1,000兆円を超える借金が政府にはあるのに財政規律は緩いのか、なぜ税金はこんなに高いのか、こういった国民の思いを解消するということを政治がきちいんとやっていないのではないかと思いました。そしてなぜこのような乖離が生まれるのか、直接知りたい、そして変えていきたいと思ったことが政治家を志したきっかけです。
 当選後2カ月してイメージと現実を比較して思ったことは、政治家は意外と忙しいということです。国民にあまり発信されていませんが、一日10件近く要望が来るのを対応したり、様々な分野について勉強したり、土日には地元に帰らなければならないなどやることが多く、外から見ているよりはるかに忙しいと感じました。政治家になってがっかりしたことは、政治家には政治の慣習に流されている人がとても多い事です。例えば、予算について、各省庁が各党に説明に来るのですが、その説明がいいかげんだと感じても、一個一個詳しく説明を求めないような現状があり、これはおかしいと感じました。予算については民間ではありえないような、曖昧な積算であったり、大目に予算を要求したりという現状がありました。私は議員になってから、おかしいと感じたものに関しては極力SNSを通じて外部に発信するようにしています。そういった発信が現状できている事であり、おかしいという声が国民の中で高まれば政治は変わっていくと思います。
 選挙のときに苦労したのは、日本維新の会は組織があまりなく、自分でやらなければいけないことが多く、選挙が不利であったことです。例えば兵庫県であれば広い面積でなおかつ1万4,000箇所に、30人ほどでポスターを張らなければいけない現状です。こういった現状があるために、選挙は大政党有利であり、自分たちに有利な仕組みであるために、選挙制度が河原にという風に感じました。うまくいったことはそういった中で選挙に勝つために、毎日のようにSNSでほかの議員がなかなか言えないようなことも包み隠さず発信をしました。

木戸口 私が何をしたいかについて経歴に沿ってお話ししたいと思います。大学卒業後すぐに小沢一郎議員の秘書に入りました。政治に対して何らかの強い野望を持っていたわけでなかったのですが、小沢氏が政治家として活躍をしていく中で、政治に興味のない目線、岩手の目線でそれを見つめてきたことが私にいいものを培ってくれたと考えています。国民が政権選択できる民主主義を目指して小沢氏は行動してきて、私はその思いで仕え、今もその思いは変わっていません。そして何をしたいかと言いますと、岩手にいますと、地方財政が苦しく、人口が減り、農業や水産業の後継者がいないといった厳しい状況を感じます。実はここ2~3年アベノミクスの影響で人口流出は厳しさを増しています。地方の財政政策を国がしっかりやっているときには、雇用を作ることができて、人口流出の動きは控えめになります。地方重視ということで地方の現場を支えるための社会保障や教育にしっかり取り組んでいきたいと思います。また、私は達増知事のもと、知事任用で秘書として働いていました。知事が就任した時は、人口流出や地方財政、県民所得が最悪の水準で医療崩壊もしている時期でした。その後東日本大震災が発生し、国から特例的な支援制度を受けていますが、復興はまだまだこれからなので、復興をしっかりと達成し、岩手、そして地方を支えていくことで日本の再生を果たしていきたいと考えています。長期的な分野で言いますと、地域医療に関しては、医師や診療科の偏在を解消するため、法律で適正化して、地方の命を守っていきたいと思います。そして東日本大震災からの復興は制度がない状態からのスタートで、特例措置を作ってきましたが、これらの特例措置を恒久的な制度にして、被災地を支援する体制作りに取り組んでいきたいと思います。
 最後に選挙についてですが、私は秘書を長年やってきて選挙に長年携わってきたのですが、秘書の経験者が立候補した時の悪い癖で、スタッフに対して色々と口出しをしてしまうということがあったので、私は全てスタッフに任せました。そのため、自分が話すことを考えることに集中できて良い選挙戦になったと考えています。

杉尾 私は元々テレビで記者をしていて、政治部などで取材をしてきました。外の視点から今の政治を見ると、あまりに片方に偏り過ぎている、政治にチェック&バランスが機能していない現状にあり、今の安倍一強の政治体制は非常にまずいと思っています。私は現役世代として、そしてメディアから政治を見てきた立場として、今のままの政治を残すわけにはいかない、なんとか政治にチェック&バランスを効かせたいと思い、現状野党は弱いですが、政権交代可能な政治を実現させたいと思いました。そして今後日本の人口は現在の3分の1にまで減ってしまうと言われる現状を残すわけにはいかないという強い危機意識から立候補させていただきました。このままメディアの世界にいても良かったのですが、言論に携わる人間として今の日本の言論を取り巻く環境がおかしくなっていると感じたこともあり、現在は総務委員会と予算委員会に所属しています。
 選挙から2カ月がたちましたが、私は未だに地元へのあいさつ回りが終わっておらず、地域性からすべての組合や後援会に顔を出さなければならず、大変忙しいです。そんな中で国会議員として出来ていることはまだ少ないのですが、政調副会長と参議院の政審の副会長になり、予算のヒアリングや、年金や駆けつけ警護、TPPの問題についてもヒアリングをしました。予算編成の話が先ほど出ましたが、私も予算編成についていろいろと知り大変驚いています。例えばマイナンバーのプログラムの改修のために100億円が計上されたり、官公庁の研修施設の回収費用が補正予算に含まれたりしています。その結果予算は100兆円を超え、「地方創生」、「一億総活躍」といった言葉ばかりが現れ、官僚がその言葉に悪乗りをして予算を計上しているような状況であり、これを任期中にどこまで変えていけるかが大切だと考えています。このように政治活動をする中で思うのは、スケジュール管理や予算の管理や政策の研究などを考えた時に秘書の数が圧倒的に足りないと感じ、もう少し政策についてサポートしてくれるスタッフが欲しいと切実に思います。
 最後に選挙についてお話ししますが、野党統一候補として長野選挙区で立候補しましたが、改選が1議席に減る中での戦いだったので、どうすれば勝つことが出来るかをひたすら考え、これまでの選挙から票を増やす事がどうしても必要であり、野党統一の体制を作っていただきました。実際に選挙に出てみると、候補としての認知度がなかなか上がらなかったので、とにかく集会を回り、辻立ちをしていきました。今回長野は投票率が高く62.86%という数字を実現してきて、より大きな無党派層の票を取り込むことが出来たのが選挙の勝因であったと考えています。

加藤 それぞれ皆さん色々な思いがあると感じましたが、少し感想を言わせていただきますと、まず熱いというのは投票者にとっては大変うれしいです。また、今回事前に質問を送らせていただきましたが、それに正面から答えてくれる初々しさを感じました。それから忙しいという声がありましたが、やらなければいけないことが沢山ある中で、その中に自分の信念を入れていく時間はすごく限られていると思います。選挙以前、政治以前のことに今時間が割かれるのは仕方ないですが、それをやっているとあっという間に任期が終わってしまいます。忙しさの中で流されないように、焦点をしぼるなど工夫して有意義な議員生活を送っていただきたく思います。
 それではフロアからご質問やご意見を伺いながら、皆さんのそれに対する意見や想いを伺っていきたいと思います。

質問者1 ナガセと申します。伊波さんにお伺いしたいのですが、地方自治と自己決定権の観点から沖縄の独立について聞きたいと思います。

伊波 現在沖縄の独立に関しては3つの立場があります。日本の中にいて自治権を主張する立場、先住民としての立場で自己決定権を主張する立場、完全に独立を目指すという立場があります。この3つが互いに協力しながら議論をしているのが現状です。現在日本政府やアメリカによる基地負担の押しつけなどの問題もあり、沖縄独立への議論が高まっているのは事実です。
 あと一つ知ってほしいのは、沖縄は貧しい地域ではなくなりつつあるということです。入域観光客数が約800万人になっており、さらに、訪日外国人観光客の約10%が沖縄を訪れていて、沖縄の経済は活性化しています。そういった中で、自分たちの歴史を見て独立を考えていこうという世論が強まりつつあると思います。私は国会議員として日本人により沖縄の立場を理解して頂きたい、基地問題としっかり向き合う日本になってほしいと考えています。

質問者2 公務員をしている白石と申します。陳情に対する態度としてどのように対応していけば良いと考えていますか。

片山 陳情する人は特定の議員ではなく、すべての議員に対して行います。私は陳情が来たら、話は一度すべて聞きます。それでなにか私の方からアクションすることはなく、私の考えとマッチしたときに機会があれば国会で提案したいと思います。
杉尾 陳情は色々な種類があり、私は基本的なスタンスとして話はすべて聞きますが、秘書と相談しながら、課題はすべて把握しつつ、私にできることがあるのか、私がやるべき事なのかを判断したいと思います。まずは地域の実情を把握することに努めたいと思います。

加藤 1年生議員に何か言ったところで変えるのも難しいのですが、陳情を期待上効かないわけにはいかないといった現状があり、陳情については形骸化しているのが実情だと思います。

質問者3 市川と申します。TPPについてどう考えているのかお答えください。

杉尾 交渉に参加したいといったのは民主党ですが、実際に交渉したのは自民党です。現在色々と交渉の中身について議論をしていくと、正さなければいけないことが沢山ある中で、まずは承認ありきというのはおかしいというのが私たちの立場です。それから各地域に色んな事情がありますので、農家の疑問を解消して納得していくような審議をしていきたいと思います。

加藤 TPPというのは幅広い分野にまたがっていて、政治家もメディアも国民も理解できていないのが実情だと考えています。ただいくつかの論点を整理していく必要があると思います。

質問者4 小宮山と申します。今の介護制度のままでは持続が困難であり、政治がきちんと改革をしていく必要があると思います。そのことを踏まえて野党はどういう政策を立てて与党に対して向かっていくのかという点についてお答えいただければと思います。

加藤 先程も言いましたが、党を背負っているわけではなく、議員としてスタートした立場なので、個人としての意見を是非宜しくお願いします。

片山  負担と給付の関係は、公費をかなり投入していることからも見直していく必要があると思います。これに関しては国民にきちんと今のままでは持続が難しいということを説明し、国民合意のもとでやっていく必要があると思います。

加藤 私から一言言わせてもらうと、介護や子育てについての議論になると、すぐに施設を増やせという議論になりがちですが、厳しい財政制約の中でどのようにやっていくのかということに意見がある人がいればお願いします。

伊藤 私は祖父母がいて、また子育てをしている立場であり、祖父母には最期まで幸せに生活してほしいと考えていますし、子どもにもしっかり教育がされてほしいと考えています。お年寄りの方にかけている予算を教育費に回せばよいという意見もありますが、私は高齢者の方も安心して、子どもの教育も充実させていく手はないかと考えていく中で、この国の問題はやはり子育てに掛かる負担が大きすぎて、子どもが生まれないことにあると思います。その解決のために、世界にはいろんなヒントがあります。たとえばスウェーデンのような福祉大国も1960年代には今の日本と同じ状況だったそうです。これをどう解決したかというと、企業は父親を早く家に帰し、政府は女性の社会進出や男女平等を、それぞれ両輪で進めた結果、50年経って今の国が出来上がったそうです。ですから日本でも企業でインターバル制度や男性の育児休業の義務化、あるいは週休3日など、女性の働き方と男性の働き方を見直し、子どもをきちんと増やしていく、公共投資ではなく人への投資はできないかと、野党の議員ではなく一般の国民の感覚として感じています。

石井 私は妹を長年介護してきましたので、家の中で介護をやっていくことの大変さについてはよく理解しています。個人であれば何とか身体に障がいを抱えている方を救って欲しいと思うのですが、大きな問題で言えば、死にゆく者にいつまでお金をかけるかという話になります。現状の介護制度では医療費はパンクしてしまいます。少子高齢化が進む中で、国力をどう維持していくべきかというのはもはや介護だけの問題ではないと思います。どのように現状の予算を削り、若い人を支援して、結婚して子供を育てたいと思うような国にしていくかというシフトについては、大きな覚悟が必要だと思います。今介護にお金をかけるなというのか、お金の問題だけなのかということを考えていく必要があると思います。私個人としては、自助・共助・公助をもっと徹底していく必要があると思います。人が人を看る事の限界がある以上、共助でどこまでやるか、公助でどこまでやるか、地域でどこまでやるかを政治家として提言して、自治体などと協力して制度化していく必要があると思います。特に維新の会の場合は道州制を主張しており、地域のニーズに応じて、解決していく必要があると思います。

伊波 市町村や都道府県の場合借金をするには政府の許可が必要なのですが、政府はいくらでも借金が出来る状態です。私は昨日の安倍首相の所信表明を聞いていて、財政が危機的にある状況についての認識がほとんど見えませんでした。介護制度含めて現状上手くいっているように見えるものも、オリンピック後には大きな反動が来て、日本の経済が危機的になり、その結果福祉も厳しい状況になると言われています。それならば今の段階からしっかりと事実を出して議論が出来るような国会であるべきだと考えます。残念ながら今の国会は選挙目当ての、勢いだけで話をするにとどまっているように思っています。それに対して私たちは努力して、本来の問題解決がきちんとできるような国会にしていく必要があると思います。

木戸口 給付と負担のあり方をしっかりと議論しなければいけないのは事実だと思います。しかし財政的な視点だけで介護や保育を切り詰めて果たして社会は持続できるのかということについては危惧しています。この前の選挙で若者が政治に何を求めるかというアンケートで一番多数を占めたのは社会保障という答えであり、それだけ若者が明日の暮らしに不安を持っていると言えると思います。そのため社会保障のあり方は国民全員で議論をして作っていく必要があると思います。そして消費増税をして社会保障費に充てるというのは、消費税が所得の低い人に重い税負担がかかる仕組みであることからも、逆効果の部分もあるのではないかと思います。むしろ消費税を地方財政に充てていき、地方財源の中で、介護や保育の施設について必要性を議論していくことが大切だと思います。

加藤 財政が苦しい中で国民も様々な要求をするため、政府がやらなければいけないことは沢山あります。そうした中で政策を実現していくには石井さんのおっしゃっていた覚悟というのがすごく大切だと思います。福祉を整備するにはお金が必要という発想から抜け出して、本当にそのお金が必要なのかをとことん考えていくという発想が、政治家にも行政官庁にも欠けていると感じますので、覚悟を持って考えていく必要があると思います。

質問者5 田中と言います。大学で役員をしています。政治家として国民に対し自立・自助を求めていくことも大切な役割だと思いますがいかがでしょうか。

杉尾 スウェーデンでは第二次世界大戦後に将来的に人口が減っていくという推計が出て、その推計を基に様々な政策を行ってきました。ですから今のスウェーデンができたのは何十年もかけて制度設計をしてきた結果です。ですから日本でも少子高齢化が進むという前提で、今から社会保障や消費税に関して制度設計をしていけば遅すぎるということはないと思います。

質問者6 佐賀で病院経営をしている松尾と言います。限られた財源の中で政策を実現していくには知恵を絞るしかないと思いますが、さきほど議員秘書が足りなくて、議員が忙しいという話がありました。こうした状況の中でどのように人脈を広げて、政策のアドバイスをくれる方とのネットワークを築いていくかについてお聞かせください。

石井 すでにシンクタンクを2つ作って、介護・福祉の問題や地域医療改革について大学のサポートを得ながら被災地にも定期的に足を運び現場の声を把握し、政策を実現していきたいと思います。またさきほど限られた予算の中でいかに政策を実現するかということについての話がありましたが、やはり限られた予算の中で政策を実現していく中ではどのような国を目指していくかというのを考え直していくことも必要だと思います。

伊藤 私は公募で選ばれたのですが、もっと様々な現場で経験を積んできたプロが政治に入ってくるようにしなければいけないと思います。私の友人でも、政治家はお金やコネが無ければなれないと思っている人は多いです。予算の取り合いをするのは構わないと思いますが、もっと多様な人が入ってきてそれぞれが声を挙げていく仕組みが必要だと思います。私はには政治経験はありませんが、様々な経験を積んできて国会議員になりましたので、同じような後輩を作っていきたいと思います。

質問者7 埼玉県の草加市で副市長をしています五十嵐と言います。市の立場から国を見ると、市は借金が勝手にできないうえ国から通達が来れば事業をやらなければいけない一方、国は財政法の特例法を毎年作って、青天井で借金をしているのではないかと感じます。この状況に異議を申し立てる意思があるかを伺いたいです。

片山 赤字国債、そして予算の総額を減らしていく努力はしなければならないと思います。そのための一つの指標がプライマリーバランスであり、安倍首相は達成できると言っていましたが、本当に可能かをきちんと問いただしていかなくてはならないと思っています。

伊波 今の状況は日本銀行が国の借金を肩代わりするような状況になっていて、さらにヘリコプターマネーと呼ばれるように、どんどん市場にお金をばらまいていくという状況であり、これは将来的に見ると大変危険だと思います。国の場合赤字国債を発行することに関して、政府内からなんの異議申し立てもなされない今の状況のままだと今後国の財政は苦しくなっていくと思います。ですから覚悟をもって追及していきたいと思います。

木戸口 現在の予算の使い方をしっかり見ていくことも重要ですが、根本的に負担と給付のバランスを見直したうえで財政規律を考えていく必要があると思います。財政規律だけ先に行くと地方が苦しい状況になってしまいますので、ギリギリなバランスの状況の中にいるという認識を持って頑張っていきたいと思います。

杉尾 財政についていつかパンクするのではという危機意識を持っているのはみんな一緒だと思います。しかしいつ来るかわからないからこそアベノミクスは途上だと言い続け、選挙で勝ち続けているのが現状です。ただ、このままではいつか破たんを迎えかねない状況ですので、それをストップするのが政治の役目だと考えており、そのために行政改革・財政改革が必要だと思います。私は新人議員で分からないことも多いですが、税金で生活している以上、次の世代のために全力で頑張るという初心だけは忘れず頑張っていきたいと思います。

加藤 ほとんどの国会議員や公務員は財政について大変な問題であると考えているでしょうが、なかなか分かっていても1人では動かせないというのが現実だと思います。奇策はないので、出来る事からコツコツとやっていくしかないと思います。
 他に何かもう一言いいたい方はいらっしゃいますか。

伊波 市町村にいますと、予算の一つ一つが生活と結びついている為、減るとどうなるというのが分かるのですが、国にいると見えない予算が多く、それが膨らんでいる状況です。ですから私たちもきちんと予算の使い方を見極められる仕組みをどこかで作っていき、しっかりと精査できるようにしたいと思います。

石井 赤字国債の複雑な仕組みを国民全員が理解するのは難しく、危機意識を持っている方は限られてしまっているのも事実だと思います。

木戸口 日本全体のリスクが高まっているこの時期に国会議員になったことを重く感じています。岩手出身の立場から言わせてもらいますと自然災害の経験から教訓を得て、国づくりをしていくことが重要だと思いますし、様々な問題を含めて出来る事を精一杯やっていきたいと思います。

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