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タイトル::構想日本メールマガジン【No.854】寄稿文「なぜ日本郵政と商工中金の運用戦略は失敗したのか(2)完全民営化へのロードマップ」
発行日::2018/04/12
本文:
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  構想日本メールマガジン【No.854】
               
 「なぜ日本郵政と商工中金の運用戦略は失敗したのか(2)

              完全民営化へのロードマップ」

                   2018.04.12  発行

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【1】活動ニュース

   (1) 千葉県鴨川市で「100人会議」(住民協議会)がスタート

      全国共通の課題 「学校跡地の活用方法」を住民目線で議論します

   (2) 地方議会関係者は要注目! 神奈川県 伊勢原市「住民協議会」開催
 
【2】J.I.フォーラム 4月はお休みのお知らせ

【3】会員募集・寄付のお願い

【4】<ご紹介>

   構想日本が応援している活動に関するお知らせです。

   「つながろう熊本 ーくまもともっとvol.4ー」

【5】巻末寄稿文
  
    「なぜ日本郵政と商工中金の運用戦略は失敗したのか(2)

           完全民営化へのロードマップ」

    京都大学経済学研究科・経済学部  特任教授  宇野 輝 

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【1】(1) 千葉県鴨川市で「100人会議」(住民協議会)がスタート

 テーマは「小中学校の跡地活用を中心とした地域の活性化について」

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 鴨川市は、昨年11月の行政事業レビュー(事業仕分け)に続き、無作為に選ばれた住民が学校の跡地活用について議論する「100人会議」(住民協議会)を3月からスタートした。
 
★鴨川市の特徴★

 1.小中学校の跡地にとどまらず、小湊地域全体を再発見し、活性化を考える。

 2.幅広い市民が小湊地域を自分ごとと考えるために、無作為に選ばれた市民に加え、高校生、大学生、外部の専門家などの知恵を結集する。

 3.市役所内に若手職員中心のプロジェクトチームをつくり、市民と同じ目線で考える。

  学校の跡地活用は、鴨川市に限らず、全国の自治体が抱える大きな問題です。
  無作為に選ばれた幅広い市民の参加(住民協議会)によって解決を目指す鴨川市の取り組みは、全国のモデルとなります。
  自治体の職員の方をはじめ、皆様ぜひ傍聴にお越し下さい。

【開催日時】

 第2回: 4月22日(日)
 第3回: 5月13日(日)
      ※今年12月までに合計6回の開催を予定しています。

【参加者】 鴨川市「100人会議」委員(鴨川市民、高校生、大学生)
      コーディネーター(構想日本より派遣)
      第2回のナビゲーター(論点提示役)
       高野 誠鮮(元石川県羽咋市職員)、山中 光茂(元三重県松阪市長)、西村 訓弘(三重大学副学長・地域戦略センター長)、森本 健次(株式会社 南山城 代表取締役社長) 
      鴨川市職員
            
【会 場】 鴨川市役所(鴨川市横渚1450番地)
      ※会場についてのお問い合わせは、鴨川市企画政策課地域戦略係まで(04-7093-7828)

【入 場】 無料(どなたでも傍聴できます)
      ※途中の入退室可、事前申し込み不要  

【主 催】 鴨川市

【協 力】 構想日本

      お問い合せ:構想日本 伊藤/笠谷 
      TEL:03-5275-5607、email : shiwake@kosonippon.org

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 (2) 神奈川県 伊勢原市「住民協議会」(議会会派主催)

 地方議会改革のモデル  テーマ【伊勢原駅北口周辺地区の整備】

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伊勢原市議会の最大会派「創政会」は、昨年度に引き続き「議員主導住民協議会」を実施します。

これは無作為に選ばれた住民と議員が町の課題を一緒に議論するものです。


■伊勢原市「住民協議会」の特徴■

1.今年度は「伊勢原駅北口周辺地区の整備」について議論します。

2.議論された市民の意見をまとめて、会派が議会での質問や行政への提案などで活用します。

3.1つのテーマを住民、議員、外部のそれぞれ違う視点から議論し改善策を考えるこの取組みは、議会改革のモデルとして注目されています。

 伊勢原市市議会会派「創政会」は、これまでにも議会会派主催の事業仕分けを4年間実施するなどの実績があります。
 地方議会関係者の方をはじめ、皆様ぜひ傍聴にお越しください。


【開催日時】 第2回:5月13日(日)13:00~16:30
       ・前回に続き、テーマについて市民が日常生活で感じていることや理想の姿などを議論

【参加者】 住民協議会委員(伊勢原市民20名程度を予定)★1
      伊勢原市議会 創政会所属議員
      コーディネーター(2名★2)
       ・熊谷 哲(公益財団法人笹川スポーツ財団 研究主幹)
       ・田中 俊(構想日本 政策スタッフ)
      ナビゲーター、論点提示役(構想日本より派遣)

 ★1無作為に選んだ市民1,000名に案内を送付し、応募のあった市民。
 ★2当日は参加者が2つの分科会に分かれて議論します。


【会 場】 伊勢原シティプラザ ふれあいホール
      (伊勢原市伊勢原2丁目7番31号)

【参加費】 無料(どなたでも傍聴できます) ※事前申し込み不要、途中の入退室可

【主 催】 伊勢原市議会会派「創政会」

【協 力】 構想日本

 お問い合せ:構想日本 田中/永由
 TEL:03-5275-5607、email : shiwake@kosonippon.org

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【2】J.I.フォーラム お休みのお知らせ

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 J.I.フォーラムは、4月はお休みをいたします。

 皆様から頂戴したアンケートを元に、昼開催や場所の選定など、色々検討中です。

 来週には、もう少し詳しくお伝えできればと鋭意努力しております。

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【3】会員募集・寄付のお願い

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構想日本は非営利独立の政策シンクタンクで、政策を「提言」するだけでなく「実現」するために活動しています。

政策を作り世の中を動かすためには、想いを共有していただける方々のご支援ご協力が不可欠です。

政治がこのままではいけないと思う人、日本をもっと素敵な国にしたいと思っている人・・・是非、構想日本の活動にご参加、ご支援ください。

◯構想日本会員(個人)年会費1口10,000円(1~10口)、入会金2,000円 (WEBからお申し込みいただく場合は入会金免除)

◯構想日本会員(法人)法人会員A 年会費1口300万円、入会金30万円/ 法人会員B 年会費1口 50万円、入会金30万円/ 法人会員C 年会費1口 10万円、入会金5万円

 詳細は、こちらからご覧ください。 http://www.kosonippon.org/info/index.php#member

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【4】<ご紹介>

   構想日本が応援している活動に関するお知らせです。

   「つながろう熊本 ーくまもともっとvol.4ー」

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熊本・大分を中心に起きた熊本地震から間もなく2年。

この2年間、多くの場所で支援活動をしてきました。そして多くの方にいろんなご支援をいただきました。

まだまだ復興の道のりは遠いですが、この間ご支援をいただいた皆様に「ありがとう」を伝えるイベント「つながろう熊本~くまもともっとvol.4~」を今年も開催します!

期間中は、イベントスペースにて写真・資料の展示があります。

皆様のご来場を心よりお待ちしております。


◯日時 2017年4月10日(火)~16日(月) 10時~21時

    ※14日(土)、15日(日)は熊本の特産品を販売する「くまもと市場」、ワークショップなど各種イベントを開催します。
   
◯場所 MUJI有楽町店 1階入口 店舗前スペース・3階イベントスペ-ス

◯参加費  無料(一部のワークショップでは参加費がかかるものもあります)

◯主催 一般社団法人がんばるけん熊本機構、無印良品有楽町

◯後援 東京熊本県人会、熊本コネクションプロジェクト事務局

  https://www.muji.com/jp/events/tokyo/

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【5】寄稿文 「なぜ日本郵政と商工中金の運用戦略は失敗したのか(2)

           完全民営化へのロードマップ」

    京都大学経済学研究科・経済学部  特任教授  宇野 輝   

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(1)は こちらから→ http://www.kosonippon.org/mail/detail.php?id=860


1.改革の経緯  

平成15年小泉首相は「構造改革の中で郵政民営化は本丸中の本丸で、郵政事業、財政投融資、政策金融の改革を一体的なものとして改革する方針」を示した。平成17年9月郵政民営化の賛否を問ういわゆる「郵政選挙」が行われ、郵政民営化法6法案が可決成立した。

そして、平成19年10月郵政事業は4つの事業会社に分社化され株式会社として民営化された(官有民営・政府が所有しつつ、民間が経営をおこなうこと)

政策金融改革については、商工組合中央金庫と日本政策投資銀行が民営化された(官有民営)。そして多くの他の政策金融を束ねることになった日本政策金融公庫が設立された。

商工中金は特殊会社として発足後、おおむね5~7年を目途として、政府保有株式の全部を処分し、完全民営化するとした。株式会社化によって、中小企業等に対して、より多様なサービスを提供する民間金融機関に生まれ変わるべく、種々の規制を撤廃し民営化した。

2.投資戦略失敗の原因

平成26年12月日本郵政(株)、(株)ゆうちょ銀行、(株)かんぽ生命の3社同時上場を決めた。
理由として「郵政民営化の推進や、当社の株式売却収入を充てるとされている復興財源への貢献、早期に経営の自由度を確保することや、自律的な経営態勢を確立するといったグループ経営上の必要性」を挙げた。

この目的のため、日本郵政(株)は二つの具体的な資本政策を行った。
一つ目はゆうちょ銀行の上場前の自己株式の買い取りであり、二つ目は復興財源確保のための東証一部上場であった。

平成26年の自己株式の買い取りの仕組みは、上場前のゆうちょ銀行が日本郵政(株)の保有するゆうちょ銀行の株を自ら買い取ったものである。これによって日本郵政(株)はゆうちょ銀行から1兆3千億円の売却収入を得た。

日本郵政(株)はこのうち7千億円を国営時代の、年金債務の一括処理※1に充て、残り6千億円を日本郵便への増資とした。
※1日本郵政(株)は旧郵政省時代(日本郵政公社)の年金債務(恩給)を支払う義務を負っているため

日本郵便はこの増資で豪州の物流大手トールホールディングを買収した。この一連の話はグループの中だけでの取引であり、かつ上場前であったことから市場の監視の目が届かず、問題視もされなかった。むしろ上場を成功させるための戦略として評価された。

しかし、ゆうちょ銀行の資本は元々国民の資産である。それゆえ私は、過大な資本となっているゆうちょ銀行の資本7.8兆円からリスクに対応する必要のない4.3兆円を政府に返還し、直接復興財源にすべきであると主張してきた。

その後政府は復興財源確保のため、日本郵政グループ(上場した3社)の株を売却し、売却収入を償還財源(復興債などの債務を返済する際の財源)として、4兆円の復興債を発行した。財務省は4兆円の復興債の返済には日本郵政グループの株を3年に一度3回売却し、1回あたり1兆3千億円の売却収入で賄うこととした。そのため平成27年11月第1回の郵政グループ3社の同時上場によって得た売却収入1兆3千憶円は、復興債の返済に充てられた。

問題はこの財務省のシナリオが平成25年2月に明確になっていたにもかかわらず、ゆうちょ銀行が自己株式買取りにより1兆3千億円を日本郵政(株)に支払ったことにある。本来ならこの1兆3千億円は、優先順位としては復興債に充てられるべきものである。
さらに言うならば、復興債の4兆円はゆうちょ銀行の資本から優先的に財源にすることが可能であった。この貴重な資金が年金債務の一括処理と物流会社トールホールディングスへの投資(M&A)に消えたのである。

この投資の失敗にもかかわらず、日本郵政(株)は新たに不動産会社のM&A計画を打ち出していたが、さすがに政府もこの計画には待ったをかけたので、計画撤回に追い込まれた。

私は、ゆうちょ銀行の場合は、収益増強するより自己資本を減額しROE※2を改善したほうが有効であることを、民営化実施計画時から主張してきた。自己資本が多いほうが利息を払わないですむため、無利息運用で稼げると考えていた官僚出身の経営者は、できるだけ大きな(7兆円を超える)自己資本にした経緯がある。金利の高い時代には有効であるが、低金利の続く現在は役に立たない。

※2 ROE (Return On Equity) 自己資本利益率のこと
  参照図 1 http://kosonippon.org/documents/2018/mail/zu1.pdf
   
(3)へ つづく

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 宇野 輝 (うの あきら)

京都市出身。京都大学経済学部卒業後、住友銀行に入行。住友銀行取締役。三井住友カード副社長、SMBCコンサルティング会長を経て平成18年日本郵政(株)執行役員となり郵政民営化に従事。ゆうちょ銀行常務執行役退任後、平成22年より京都大学経済学部特任教授「官製金融と民間金融概論」の講義を担当。平成23年京都大学大学院経済学研究科フェローの称号を授与され現在に至る。
現在の役職:DMG森精機(株)顧問、橋本総業ホールディングス(株)社外取締役、(株)三社電機製作所 社外取締役、(一社)金融経済みらい研究所 代表理事、京都大学経済学部同窓会 副会長兼東京支部長。

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(編集後記)

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