• 構想日本の活動

国会/内閣


1999/06/15(火)
政策ディスカッション「国会機能強化を考える」

双方向討論実現のために


副大臣制の導入と政府委員制度の廃止が実現に向けて動いています。「政治家のリードする内閣、国会」への第一歩といえるでしょう。しかし、これで十分ではなく、逆質問権と自由討論時間の導入、予算委員会への全閣僚出席義務の廃止などと併せて初めて、活発な国会審議が実現できると構想日本は考えます。国会機能強化の主役である、国会議員を交えた政策ディスカッションを下記にて実施いたしました。 


ゲスト  佐々木 毅 東京大学大学院法学政治学研究科教授 
     飯尾 潤 政策研究大学院大学助教授 
構想日本 加藤 秀樹、丹治 幹雄 
日時   1999年6月15日(火)PM3:00~5:00 
場所   衆議院第二議員会館 第一会議室 
主催   構想日本 

内容要約


●国会の機能強化を検討するための前提の問題 

・日本の国会の最大の特徴は、大切なことが国会の中で決まっていないということ。
・部分だけ直してもだめである。長年のうちに、与野党の力関係でルールが固定化されたため、一つ動かすとよそも動く。
・国会でそもそも何をやったらいいか、ということを考えることが大切。
・国会には慣行が多い。
・法案を通すこと以外に、今国会に求められているのは、(1)討論 (2)立法審議機能の拡充 (3)行政統制機能の拡充 である。国会改革の具体案をこの3つ分けて議論すべき。
・三権分立論から解き放って自由に構想していくべき。
・三権分立よりも議員内閣制が優先するのは当然である。
・今の国会は、立法府ではなくて通法府になっている。
・今は与野党分かれて、国会以外の所で決まれば、後は如何に早く通すかということだけになっている。
・国会という場は、どのような、どの範囲の政治活動の余地を与えられるべきかを検討すべき。
・政党と国会の関係をどのように整理をしたらいいのか。
・日本の国会は、1年の内短い時間しか働いていない国会である。
・首相の権限強化という問題も考えるべき。
・世界中の国会を見ると、国会を審議の場にするという考え方と、立法の場にするという考え方があって、どちらかを選ばないといけない。
・政府が政策をしていくことに与党が責任を持っていると、自分が提案したものを最終的には多数を持って通さざるを得ない。
・党首の任期も短いから日本の政治家はみんな忙しく、次の選挙までにこういう改革をやるというプランがない。
・与野党関係としては、与党がやりたいようにやっていくのは一つありうる選択である。ただ、日本にとっていいかどうかは議論の余地があるかもしれない。
・与党と野党という立場、その役割としての意見のあり方があってもいい。
・国会の外のことを考えると、国会運営には計画性があった方がいい。 

●討論について 

<法案を待たずに行う討論について> 

・国会は、行政統制、財政、国の基本問題等について、当然何か法案のための議論をするということから違った空間というものが、当然用意されてしかるべきものである。
・議論が面白くないのは、法律案を作る段階であると、てにをはの議論になってしまうからである。法案にする前に議論すべき。
・法案になる前の要綱の段階で議論することも出来るように、法案によって区分けをするということを制度的に入れていくべき。 

<逆質問権、反論権について> 

・逆質問権、反論権について、どの部分において反論権を認めるのか、あるいはどういうルールにするのかということも、詰めるべき。そうでないと、例えば法案審査の時に一般的に反論権を認めると、今の情報格差の下では、議員が太刀打ちできなくなる。
・委員会で問題を仕分けして、自由討論的な問題を設けて、そこの場で反論権を認めたらどうか。 

<大臣答弁の拘束性について> 

・答弁で揚げ足を取り、それ自体が駆け引きの対象になってしまうと、政府から十分な情報が得られなくなる。
・日本では、大臣が一遍答弁をすると、法律案でもないのに長らく役所を縛ってしまう。大臣が交代すれば、意見も変わって当然である。
・国民が分かる範囲内で責任を追及して欲しい。
・大臣発言の拘束力が強いために、安全策として官僚が作った答弁を読まざるをえないという状況に置かれる。 

<質問の事前通告制について> 

・三日前までに通告するという制度と、無通告の党議を設定する場合もあるという二つの方法を提案しているが、この仕分けはどのようにするのか。
・事前通告制が、討論そのものをだめにしてきた。
・事前通告制をなくした場合には、お互い相当勉強することと、追求する側の野党も上げ足取りではない、建設的な質問をしていくということが必要である。
・今は、いつ委員会を開くかということを、理事懇談会で決める。大体において、月曜日か火曜日に理事懇談会をやって、水曜日か木曜日に委員会を開く。だから、今の運営のあり方では一般的に三日前に通告をすることは不可能である。
・質問を予告・通告するというのは正式な制度ではないのにやらなければいけないので、大量の人手を動員している。
・今、禁止しても、大臣に恥を掻かせられないと思う役所はどんな手を使ってでも質問取りをするだろう。
・質問通告をしないと、正確な数字がでないし、省全体の意見にはならない。
・答えに納得がいかなかったら、質問通告していなくても、質問するべき。
・大臣は何に対してどこまで責任を負うのかという問題と関係している。
・共通了解としてどんなスタンスで議論するのが政治家同士の議論としていいのかということが、国民としては関心がある。
・国会で政治家が政府委員に答えてもらうような質疑をすることを国民は望んでいない。
・55年体制時代には、質問をすることによって恩を売ったり買ったりするという政治家と官僚との繋がりができていた。これを切った方がいい。
・答弁者の拘束をなくさないと、質問通告なしにすれば、むしろ役人の無駄な労力というのはますます増える。
・本来は野党議員も質問を受けるような立場になるべき。
・民間人が参考人に呼ばれる場合は、質問を教えていただいた方がいろいろ準備していけるので非常にありがたいが、実際にはこれが一切ない。政治家の方々は質問通告を無くしてやった方が面白いのではないか。
・自分達が指摘していることに対して考えてもらえるのであったら、質問取りがあってもなくてもいい。
・今の質問取りのやり方は最悪である。前日の夕方に質問を取って、それに対する答弁を徹夜で用意できるのは、役人しかいない。
・大臣や総理は一日に多い時は百何十問の質問をこなさないといけないので、自分の頭で考える余裕を全く無くしている。
・行政をコントロールする政治家の長、行政機関の長が別の政策を提案するような余地を作るという意味において、この三日前の通告制度というのは非常に面白い。
・通告された時に、官僚の作った答弁を読まれる方も沢山いるだろうから、無通告の自由な討議もあった方がいい。 

<クエスチョンタイムについて> 

・民主党の政権構想委員会運営委員会での議論を基にクエスチョンタイムを提案した。結果として、来年の通常国会から、週一回、首相と野党党首がテレビを通して国民の前で国民が最も関心のあるテーマで討論をすることになった。
・今回画期的だと思うのは、クエスチョンタイムを与野党党首の討論という形にした点である。 

<副大臣と官僚の折衝について> 

・倫理規定を作ろうと議論している。
・イギリスでは行政から国会に入らないという不文律が数十年守られている。
・今回の政治主導の副大臣制の導入についても、国会審議の充実、いわゆるシステムとしての国会機能を充実させるというところに視点を置くべきであって、政治家が官僚の中に入っていって政治主導でやればいいとは思っていない。 

<その他> 

・議員の研修制度を作るべき。 

●立法審議機能の拡充について 

<法案審議について> 

・重要な法案は、何時間以上審議をしなければならない、という部分も必要なのではないかと思う。
・審議をしても修正されないですぐに採決になってしまう。審議の成果が何もない。
・ドイツの国会は修正を必要とする国会である。法案は非常に緩い形で国会に提出され、それを与野党で全て非公開で審議する。 

<野党案審議について> 

・野党案を審議する方法を取り入れるべき。
・イギリスでは、金曜日の午後は、議員提出法案の審議に毎週当てられている。
・第三者的立場の学者としては、通年国会にして与党案を通すことと野党案の審議がセットになると考えている。
・この間の情報公開法案もそうだったが、野党側の対案についての審議が形式的になってしまうという問題がある。

<その他> 

・両院法制局の拡充の問題は非常に大切である。 

●行政統制機能の拡充について 

<野党の役割について> 

・野党は、与党案に反対であることをアピールしておけば次の選挙に望みが出てくるだろう。しかし、現在はプレゼンテーションが弱い。
・野党の役割としては行政チェックに力を入れた方がいいと思う。野党が法案を作っても、運用するのは政府、与党なので、国民から野党が何をやっているのかよくわからなくなる。与党に法案作成から運用までまかせて、運用の仕方や法案をチェックする方がいい。 

<決算審査について> 

・調査室のスタッフで、「国会の政策評価を考える」という勉強会をやって、最近レポートを出した。行政統制の問題が重要。政府の政策実行、予算執行を決算審査の中で評価して、次のより良い予算編成なり予算執行に活かしていくべき。
・政権交代が起こった場合に、行政統制、特に決算審査をどうやっていくのか検討すべき。
・政府委員を廃止して、何ら手当てをしなければ、決算審査の基盤そのものが崩れてしまう。 

<政策情報収集システムについて> 

・国会以外の調査機能、政策情報収集システムを野党が強くしていくべき。
・国会図書館の調査室のレベルは高くない。
・ドイツでは、与野党共に公費でシンクタンクを作っている。イギリスでは、野党に対して、公費助成をしている。構想日本からこのような提案をしてほしい。
・国会職員をどのようにどんな方をどんな形で雇うのか、一つ一つ考えるべき。 

<国民への伝え方について> 

・国民が国会の議論を聞く時間が無い。あるいはまたマスコミが悪いので、伝わらないといった問題がある。
・国会を国民にどう開くかという問題も国会機能を強化するといった時の視野の中に入れてもいいと思う。 

●両院の役割について 

・参議院の機能を考えるチームを自民党と民主党7人ずつで作った。
・国政調査権は全会一致が原則だが、参議院では全会一致をはずしたらいい。
・条約について参議院側に優先権を付与したらいい。
・参議院の機能改革で一つ難しいのは、衆議院と参議院の機能を全く別にしてしまうと、国会の機能強化ということ以上に日本の政治のゲームが変わってしまうことである。
・構想日本でも、衆参の役割の見直しをする案を考えてほしい。
・国会議員は忙しいのは、党でも衆参両院でも同じ審議をやっていて、役割分担していないからである。
・衆参役割分担の根本は、参議院側が、憲法で保証されている権限のいくつかを自制するということに帰着する。
・参議院では、時間的なパースペクティブと空間的なパースペクティブをむしろ広く取って議論していくべき。
・両院協議会をもう少し活用してもいい。衆参両院から出てくる代表の選び方がどちらの院も元の議案に賛成した会派で占めるようになっているので、両院協議会が機能しない。
・参議院の方は、両院協議会の委員の選び方を、例えば会派の比例にする。ただそれをする条件として、例えば、参議院が先議をした法案は出来るだけ衆議院でも通して欲しいといった、ある意味での紳士協定を結んだらどうか。


●議事録概要はこちら

お問合せ先: 構想日本
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