• 構想日本の活動

事業仕分け


2014/09/11(木)
静岡県事業仕分け(2014/9/6)

【総 括】(閉会式での講評の概要)
 
加藤秀樹(構想日本代表):1日目総括
●県民評価者(無作為で選ばれ県民)に判定して頂くという仕組み自体は、何年か前から、今仕分けをしている自治体の中では、それが主流になっているが、300人近くの方が参加される。
併せて今年は学生枠として、50人以上の方に来て頂いている。これは素晴らしい。
大勢の方が行政に対して、自分事だと思って、当事者意識を持って、取り組むのが一番大事なこと。それぞれ色々な考え、経験は違うから、意見や判断は分かれる。ただ、分かれても良いのではないか。それを自分事として考えることが大事なこと。

●雇用に関しては、若い人が随分発言していた。若い方と年配の方の意見が違うこと、若い人の話を聞けたことはとても良かった。

●今回、静岡県での初めての試みだったのが、県と市・町との連携。県の場合は、目の前に住民がいて、日々やり取りするものではなく、国と市・町の間で統括しているという立場になる。市・町との連携の視点はとても良かった。続けて頂きたい。

●ネット中継が1,300人と今までの自治体の中でも圧倒的に多数。自分事として考えてもらうという意味で非常に良かった。

●専門委員や県民評価者の質問というのは、それで現場でどういう効果があるのか、それはそもそもこの事業の目的に合っていないのではないかという質問が多い。最も大事な視点。それに対して説明する側は、趣旨とやっていることの説明に終始することが多い。
静岡県はもう6年目なので、資料の作り方、説明の仕方も随分と意識をして向上していると思うが、それでもやっていることが本当に活きているのか、それが目的に合っているのか、と聞くと、いや、こういう趣旨でやっていますといった、食い違いが多かった。行政がやっていることは、すべて趣旨が悪いことはないはず。
趣旨はどれもいいが、それが現場に活きているかどうか、目的がずれているかどうかということのチェックをするのがこの取組。これだけ多くの人がネットで見たり、あるいは県民評価者の方が実際にやり取りして考えて頂いたプロセスは非常に良かった。

●結論が一番大事なわけではない。議論で出てきたコメントを県行政にどれだけ活かすかが最も大事。

●議論で出てきたコメント、あるいはやり取りに対して、県が今後どれだけ真剣にとり組んでいくかを事後的にチェックすると、今日の事業レビューは、大成功になる。是非お願いしたい。
 
熊谷哲(PHP総研主席研究員、1班コーディネーター)
●県民評価者の皆さんは、なかなか分かりにくい事業が並んでいる中で、大変だったと思いますが、しっかり資料を読み込み、説明をしっかり聞いて頂きながら、的確な判定をしていたと思われるし、意見も専門委員とは違う観点で、それぞれの皆さんの経験や、思いに直結したとても素晴らしい意見が
   たくさんあった。

●一班は教育関係を2日間にわたって取り上げられた。今朝の新聞でも大きく報道されていたが、どこかの団体をやり玉にあげて、攻撃をするということではなくて、県民の皆さんにとって、静岡県のこれから育っていく子どもにとって、より良い学びの機会であったり、より良い学校給食を届けてもらったり、あるいは様々な学校での活動を一生懸命にとり組んでもらえるための環境つくるために必要な取り組みは何なのかというところの思いを目指して、議論を尽くした。

●とりわけ教育の課題については、事業の意義や成果になると言葉を尽くされるが、成果に関しての話のなると、途端に話が尻すぼみになってしまう。

●今回の事業調書でも、事業で取り組んでいることの成果指標、アウトカムとしては、かなり遠くにある目標を掲げられているために、事業の効果を考えるにあたっては成果指標が不適切なものが大変多かった。ここは評価者からも重ねて指摘を受けたこと。来年以降の取組み、あるいは総合計画の中での位置づけ等々の中で、どういうやり方がいいのかを改めて検討、工夫が必要。

●6回目の取組みで、最初から毎回参加しているが、最初の時と比べて、説明する職員の取組みは大変向上している。県民評価者の見る目線もとても紳士で的確なものだと感じる。
このような取組みが静岡で根付いて、更に色々な現場で成果が活用されて、しっかり活かされることを期待している。
 
荒井英明(厚木市教育総務部次長、2班コーディネーター)
●第二会場では、文化芸術関係の事業が対象。文化芸術関係というのは、裾の触れ合う人たちを増やそうという目的と、トップレベルの方の更なるレベルアップをという二つの目的がどうしても混在してしまい、本来の事業の目的がどちらに重きを置くべきなのかを見失ってしまうことが多い。
結果的にその事業を実施することが目的化してしまう。手段が目的化してしまう事業がいくつかあった。

●芸術祭に関して、50年数年続けているという中で、初期の目的をもう達成したのではと感じるところがあるが、現時点では芸術祭を開催することが目的化してしまっている。
県民評価者からは、もう少し考え直した方がいいのではないかという厳しい判定が出た。

●県民評価者の意見を参考にし、より良い芸術祭に衣替えして、静岡県の文化芸術を進めてほしい。

●私も6年間参加してきたが、一番初めて来たときには、県職員の皆さんは非常に構えて我々のことを見ていたような気がする。今では一緒に議論に加わってくれるようになったと思う。これは6年間の成果ではないか。
 
伊藤伸(構想日本統括ディレクター、3班コーディネーター)
●第三会場は認知症対策、介護予防、高齢者の見守りに対しての事業。
共通して出ていた議論は、県の役割とは何なのかということ。介護予防などは地域で取り組まれており、実際には市や町がやっている中で、県として何をやるのか。今やっていることの中には、直接コールセンターを作っていたりするが、本来やるべきことは市や町で起きていることの実態を把握して、その情報を整理した上で、市や町に情報を提供することではないかという意見が非常に多くあり、それが出来ているかというと、出来ていなかった。

●県は情報を取りまとめて、国に出しているが、本来とりまとめた情報を集約することが出来るはずなのに、実はやっていなかった。本来は地域の偏在がわかるはずなのに、少なくとも今日の段階ではわからなかった。

●このことは今日の認知症対策に限らず、ある程度共通化して言えることではないか。
今年度初めての試みであった「民間や市町との連携」という視点において意義のある議論だった。

●私も6年間参加しているが、一番大きく変わってきたのは、担当している説明者から、挨拶に来られるようになったこと。最初のうちは全くなかった。どちらかというと、対決姿勢にあったのだと思う。
見ていただいた方はわかると思うが、対決をするのではなく、静岡県として今後どうあるべきかを一緒に考える場だと捉えている。
どうしても事業レビューや事業仕分けというと、バッサバッサと切るイメージがいまだに残っていると思うが、そうではないということを改めてご理解頂きたい。

●県民評価者が書かれたレビューシートは、実感として裏面まで書かれている枚数が去年に比べて多かったように思う。去年からこの取組みをしているが、結論よりもレビューシートに書かれた内容こそが重要。記載が多かったことは、この場で色々議論を聞いて、考えることによって、自分事のように考え変わってきている一つの表れではないか。
このような取組みは構想日本としても全国に広げていきたい。

●今年度の事業レビューの最大の特徴は学生多さ。全国でもずば抜けた素晴らしい取組みだった。

●昨日私の班の対象に若い人たちに密接にかかわる就労支援の事業だったが、高齢者の方から、「最近の学生は甘い」という意見がいくつか出た。
その後に学生から、「そうはいっても企業から書かされるエントリーシートは相当大変など、決して甘えているばかりではない」という意見が出た。若い人たちがこの場に参加したことによって、世代を超えて議論ができているということを見ても、非常に大きな取組みであった。

●今後もこの取組みを静岡県として継続していただきたい。構想日本としても広げていきたい。

 
【基礎情報】  人口:3,765,007人
        面積:約7,780.42㎢
 
【日  時】  2014年9月6日(土) 10:00~16:30
 
【場  所】  県庁別館8階第1会議室、7階第2会議室・第4会議室
 
【主催、共催等】 主催:静岡県、協力:構想日本
 
【実施概要】
 実施数:6回目(6年連続)
 対象事業数:18事業

事業名

事業費(千円)

判定結果

学力向上推進事業費

310,285

一定の効果がある

次代を担う人材育成研修事業費

3,200

一定の効果がある

実学推進フロンティア事業費

 71,600

あまり効果がない

農を支える元気な担い手支援事業費

32,300

一定の効果がある

耕作放棄地解消総合対策事業費助成

62,500

一定の効果がある

茶業経営体質強化推進事業費

12,675

あまり効果がない

働いてよし新卒者就職応援事業費

15,610

一定の効果がある

しずおかジョブステーション運営事業費

85,300

一定の効果がある

緊急経済対策民間活力等推進事業費

62,819

一定の効果がある

学校地域連携安全・安心推進事業費

(スクールヘルスリーダー派遣)

2,264

一定の効果がある

しずおか型部活動推進事業費

38,400

一定の効果がある

人権教育総合推進事業費

2,018

一定の効果がある

美術館運営事業費

42,400

一定の効果がある

ふじのくに芸術祭開催事業費

17,865

あまり効果がない

伊豆文学賞等開催事業費

6,000

一定の効果がある

認知症総合対策推進事業費

31,600

一定の効果がある

地域支援事業費県交付金

985,000

一定の効果がある

成年後見推進事業費

2,000

一定の効果がある

 

【仕分け人の構成とメンバー】
3班体制
1班(1会場)あたり 
コーディネーター(構想日本) 1名
専門委員 5名(構想日本2名、県民3名)、
 
第1班 コーディネーター:熊谷哲(PHP総研) 
専門委員:小村雄大(民間企業)、新倉聡(横須賀市、1日目)/石渡秀朗(三浦市、2日目)、
県民専門委員等3名
 
第2班 コーディネーター:荒井英明(厚木市)
専門委員:露木幹也(小田原市)、森本健次(南山城村、1日目)/伊賀恵(弁護士、2日目)、
県民専門委員等3名
 
第3班 コーディネーター:伊藤伸(構想日本)
専門委員:小瀬村寿美子(厚木市)、山根晃(足立区)、
県民専門委員等3名
 
他、県民評価者219名
 
【活動実績】
 ネット中継視聴:1,375件
 傍聴者数:67人
 
【6年間合計の対象事業数等】
 実施数:6回(6年連続)
 対象事業数:102事業
 ※参考:平成26年度一般会計総額 約1兆1,802億円
 
【記事、参加者の声等】
中日新聞 「県の事業仕分けスタート 2事業、効果に疑問」
静岡県県会議員 田口章氏 活動記録 「士民協働事業レビュー 」
静岡県議会議員 阿部卓也氏 ブログ  「 静岡県事業レビュー 」
  
【中継動画へのリンク】
 当日の映像はこちらから
 
詳しくは静岡県ホームページからご覧いただけます。



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