• 構想日本の活動

エネルギー戦略


2001/11/16(金)
エネルギー政策基本法案への対案

緊急提言: エネルギー政策基本法案への対案

エネルギー政策の戦略性の明確化
―官僚主導から民意反映の政策立案に向けて―
 

 与党3党が衆議院に提出した「エネルギー政策基本法案」は、わが国のエネルギー政策に関する議論を促す契機としては評価できる。 しかし、そこには従来の官僚主導のエネルギー政策に欠けていた国家的な戦略性や、状況の変化に柔軟に対応する能力の強化という視点は見られない。 それは結果として、これまでの政策を正当化することになる。
 私達は、長期的な視点から適正なエネルギー政策を柔軟に立案できる体制を整えることを目指して、対案を提言する。


我が国のエネルギー政策の問題点 

 これまでのわが国のエネルギー政策は、政策決定においては審議会形式が採られているものの、実質的には、情報を集中管理する官僚がエネルギーの需給トレンドをGNP成長率などをベースに予測し、その需給ギャップを埋めるための供給計画を立て、公共投資や補助金給付の決定を行ってきた。このような政策決定プロセスが、政策の自己目的化や硬直化を生み、エネルギー事業における既得権益をもたらしている。
 したがって、将来の不確実なエネルギー環境に対して適切に対応するためには、行政府が政策プロセス全体を統制する従来のスタイルから脱却することが不可欠である。


構想日本の提言の趣旨 

 以上を踏まえ、専門家からなる構想日本「エネルギー戦略会議」は、エネルギー政策における"不確実な要因"を抽出・分析することにより、3つのシナリオを想定した政策提言を試みた。
 そのなかで最も重要な点は、状況の変化に合った最適なエネルギー政策を実現していくためには、立法府を中心とした政策の立案および評価体制を構築することである。
裏を返せば、適正な政策の立案が柔軟に行える態勢が整っていない場合に現れる「国家統制型」が最悪のシナリオとなる。
 その観点から考えると、今回の基本法案は、この「国家統制型」シナリオに通じる可能性が極めて高い。そこで私達は、以下の視点から対案を提言する。 


基本法案における3つの問題点 

基本法案の問題点              
(1)縦割り行政による計画経済のニュアンスが依然として残存、需給バランスへの偏重
(2)政策の立案から評価に至る一連のプロセスすべてを、実質的に行政が掌握
(3)自由化市場における政府の新たな役割の明示が不在 
        ↓
改善のポイント
(1)不確実性を考慮した、エネルギー政策における総合性、戦略性の明確化 
(2)エネルギー政策の評価能力強化、プロセスの民主化
(3)公共利益確保を柱とする政府の責務の明示


以上


◇◇
参考資料



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