• 構想日本の活動

公職選挙法


1999/03/31(水)
政策を競う選挙にするための公職選挙法改正の提言

1.公示・告示後の公開討論会開催に関する改正 

現状 
 候補者が一堂に会し、政見を述べ合う公開討論会は、選挙の公示・告示前は、投票依頼文言がなければ開催することが認められている。公示・告示後は、候補者が政見を有権者に訴える演説会として、現在、個人演説会、政党演説会、政党等演説会は認められているが、それら以外の演説会は禁止されている。そのため、第三者である有権者が、候補者の政策を比較する最も有効な手段の一つである公開討論会を開催できない。したがって、現在は、各候補者が同日、同一場所で演説会を開催するという形式で行わざるをえない。 

問題点 
 候補者以外の第三者が、開催の広報や会場の予約をすることができないなど制約が多く、公開討論会を開催することは現実には困難である。 

改正の方向
 第三者開催の公開討論会を、一定の要件のもとに、第三者開催の演説会の禁止規定の例外として規定し 、公示・告示後にも、第三者が公開討論会を開催できるようにする。 

【法律改正案】(下線部は追加を示す)
(a)第三者開催の公開討論会を、「他の演説会の禁止」の規定の例外として規定する。

第164条の3第1項 選挙運動のためにする演説会は、この法律の規定により行う個人演説会、政党演説会及び政党等演説会を除くほか、いかなる名義をもってするを問わず、開催することができない。
第164条の3第2項 公職の候補者以外の者が二人以上の公職の候補者の合同演説会を開催すること、候補者届出政党以外の者が二以上の候補者届出政党の合同演説会を開催すること及び衆議院名簿届出政党等以外の者が二以上の衆議院名簿届出政党等の合 同演説会を開催することは、前項に規定する禁止行為に該当するものとみなす。ただし、公職の候補者以外の者が、それぞれの選挙ごとに当該選挙区(選挙区がないときは、その区域)のすべての公職の候補者に対して、開催日の二日以上前に開催の告知を行った上で、参加する各候補者に同一の発言時間を与える等同等の利便を提供する公開討論会は、この限りでない。

(b)公開討論会の告知について、選挙運動の規制の適用を受けないことをそれぞれの条文に明記する。 


2.公開討論会のテレビ中継

現状 
 公示・告示前には、テレビ局の自主企画によるテレビ公開討論会は放映している。  公示・告示後、候補者の共同開催という形式で開催している公開討論会については、長崎県知事選挙の時、長崎文化放送が放映したことなどがあるが、放映されることは例外的である。 

問題点 
 公示・告示後、候補者の共同開催という形式で開催している公開討論会については、ほとんどの場合、第151条の5の「選挙運動放送の制限」に抵触する可能性があるとの放送局側の自主判断で中継されない。 

改正の方向 
 公開討論会放送を法律で規定し、公示・告示後の公開討論会の放送ができるようにする。 

【法律改正案】(下線部は追加を示す)
第150条の3 日本放送協会及び一般放送事業者は、第164条の3第2項のただし書きの規定により行う公開討論会を放送することができる。


3.その他の改革案

現状 
 現在、認められている選挙運動は、以下の通りである。
・文書図書の頒布(ハガキ、ビラ、新聞広告、選挙広報)
・文書図書の掲示(ポスター、立札、ちょうちん、看板)
・言論による選挙運動(個人演説会、政党演説会、政党等演説会、街頭演説、連呼行為、政見放送、経歴放送、幕間演説、個々面接、電話) 

改正の必要性 
 現在認められている選挙運動の方法は、それぞれ法に規定された当時の社会環境を前提としたものが多く、コストに比較して有権者に政策が伝わっていない。コストのかからない、政策本位の選挙運動を行うために、選挙運動の方法を見直し、情報通信手段の活用を拡充する必要がある。特に、インターネットの活用は、投票率の低い20代、30代において一般化しており、また、高齢者にとっても自宅にいながらにして候補者の政策を知ることができるため、有効である。 

改正の方向
(1)インターネットのホームページを選挙運動における制限文書とはみなさない規定を設ける。
(2)その他、以下について検討を行う。
 ・選挙広報のカラー小冊子化、選管によるテレビ局の一定時間買い取りによる継続的な政見放送の放映、新聞一面への選挙情報の掲載等。 
 ・連呼行為、ハガキ、ビラ、ちょうちん、ポスター、個々面接、電話による選挙運動、街頭演説等のあり方の見直し。



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