• 構想日本の活動

公職選挙法


2005/03/03(木)
「マニフェスト」をきっかけに「公職選挙法改正」を実現しよう!

1.現状

 2003年の衆議院選挙では、各政党がいわゆる「マニフェスト」を用いて政策を訴えました。マニフェストを使用できるように、衆院選前に公選法の改正も行われました。これはより広範な政策情報を有権者に提供し、政治と国民の距離を近づける上で多大な効果があったものと考えられます。しかし、マニフェストの活用、とりわけ首長選挙における「ローカルマニフェスト」を広めていくにあたっては、公選法142条の2によって次のような制約があります。 
<マニフェストに関する条文:公選法第142条の2> 
  ①使用できる「対象」の制限: 衆議院総選挙における候補者(名簿)届出政党、参議院選挙における名簿届出政党(補欠選挙、首長選挙はNG) 
  ②「記載内容」の制限: 候補者氏名(政党代表は除く)・写真等の掲載は禁止 
  ③頒布できる「場所」の制限: 選挙事務所、個人演説会の会場、街頭演説の場所に限定 
  ④頒布できる「期間」の限定: 選挙運動期間のみ 
※ 条文ではマニフェストを「当該候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等の本部において直接発行するパンフレット又は書籍で国政に関する重要政策及びこれを実現するための基本的な方策等を記載したもの又はこれらの要旨等を記載したものとして総務大臣に届け出たそれぞれ一種類のパンフレット又は書籍」と記載 

  
2.改革案のポイント

<第1ステップ> ~マニフェストの使用拡大~ 
 マニフェストの普及によって、候補者の考えを有権者にわかりやすくすることは、政治のレベルアップを進めていくための大きな一歩です。そのためには制度による規制を解消し、公開討論会でのマニフェストの配布など使用の自由度を高め、また国民がどこででも手に入れられる環境を作ることが重要です。 
(1)首長選挙でも使えるように 
● 首長選挙(併せて国政における補欠選挙も)マニフェストを使用できるようにする 
(2)記載内容、配布場所の自由化 
● 国政選挙において総務省に届け出たマニフェスト、地方選挙において当該都道府県選管に届け出たマニフェストには、候補者の氏名・写真を掲載しても良いものとする
(公選法142条の2の3項「第1項のパンフレット又は・・・氏名が類推されるような事項を記載することができない」を「記載することができる」とする) 
● 国政選挙において総務省に届け出たマニフェスト、地方選挙において当該都道府県選管に届け出たマニフェストは、いかなる時間、いかなる場所、いかなる手段で配布しても良い 
  
※ 現行法の中で、必ずしもマニフェストを配布できないわけではありません(マニフェストに候補者の氏名を掲載しない、など)が、十分に機能させていくには改正が必要不可欠です。 
  

<第2ステップ> ~公選法の全面的改正~
 第1ステップの提案だけでは、マニフェストの自由化を含め有権者に政策情報を十分提供する仕組みにはなりません。例えば選挙期間前の公開討論会での配布は、マニフェストは候補者が当選後に何をするかについて書かれたものであるため、選挙の事前運動とみなされて公選法違反となる可能性が高い状況です。これは、①選挙活動を告示日から投票日前日までに限定していること、②選挙運動期間中に候補者個人の政策を有権者に知らせる手段が限られている(法定ビラ、法定はがき、個人演説会、街頭活動、電話など)*ことが原因です。
 つまり、マニフェストを完全に自由化するという一見単純に思えることであっても、これを実現するには、政治活動期間と選挙活動期間のあり方や広報における制約の見直しなど、現在の公職選挙法の根本的な部分を見直していかなければならないのです。
 さらに現在の「規制型法制度」が、政治と利益団体との癒着構造を生み出してきたのも事実です。自由の利かない状況での選挙は「組織の力」がものを言いました。規制を取り外していけば、国民一人ひとりに目を向けた選挙が行われ、選挙における「組織の力」が低下することは確実です。
 現在構想日本では、抜本的な改正をすべく、275条にも及ぶ公選法の中から「いらないもの」をリストアップし、そこから新たな制度設計を行っています。「国民が選びやすい公選法」を早急に整備しなければなりません。 

※ 法定ビラ、法定ハガキは枚数制限あり、個人演説会の案内を文書で配布することは禁止など、それぞれの活動に対しても制約が課されている。 


<「マニフェスト」の定義>
 ここでの「マニフェスト」とは、予算の伴った政策を実行できる立場になったとき(政権を担う、予算編成権を持つなど)の公約の中で、期限や財源など具体的な数値目標等が記された政策が主に記載されているパンフレットを想定。
 したがって、マニフェストを使用できる主体は国政選挙における政党と地方選挙における首長候補者を前提とする。



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