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タイトル::【No.921】「特ダネではないけれど(32) 老後の不安とは」
発行日::2019/08/01
本文:

【No.921】 八朔(はっさく)は8月1日のこと。でも、陰暦のだそうです。 

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 構想日本メールマガジン【No.921】 2019.08.01 発行 

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<目次>

【1】活動ニュース

 (1)千葉県 市原市 「市民点検」 8月3日(土)・4日(日)

 (2)群馬県 太田市 「自分ごと化会議2019」 8月17日(土)

【2】7月の主な活動報告 政策実現活動、新聞・テレビ等メディア掲載 その他

【3】巻末寄稿文 

 「特ダネではないけれど(32) 老後の不安とは」

  新聞記者   松浦 祐子

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【1】活動ニュース

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(1)千葉県 市原市 「市民点検」 

★市原市「市民点検」の特徴★

 1.最大の目的は市民と職員の「対話」によって、双方に「気付き」を多く作ること。
 2.市民が「判定」だけでなく「議論」にも参加するのは、全国で唯一。
 3.無作為に選ばれた2,500人のうち、応募してきた73名と高校生14名が参加。
 (別途、過去市民点検員として参加したOB・OG51名が参加、計138名。)

【日 時】 8月3日(土)、4日(日)9:30~16:30(予定)

【会 場】市原市役所議会棟第1、2、3、4委員会室 (千葉県市原市国分寺台中央1丁目1番地1)

【対象事業(抜粋)】※対象事業費総額:約9億9022万円

 ▼1日目 
 ・地区まつり助成事業・生活支援体制整備事業・道路特定事業(バリアフリー化の推進)
 ・スポーツ合宿誘致事業・ごみ減量850推進事業・子育て家庭支援員活動事業 ほか
 ▼2日目
 ・租税教育、啓発事業及び租税教室事業・水道管漏水の対応・下水道の普及促進
 ・ふるさと名物応援事業・教育資金利子補給事業・特別支援教育推進事業 ほか

【主 催】市原市

 詳細は、市原市HPをご覧ください。https://www.city.ichihara.chiba.jp/joho/keikaku/gyokaku/soutenken/simintenken2019.html

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(2)群馬県 太田市 「自分ごと化会議2019」

【日 時】第1回:2019年 8月17日(土)13:30~17:00(予定)

 第2回8月31日、第3回10月12日、第4回11月10日

【会 場】太田市役所 本庁舎3階大会議室 他(太田市浜町2-35)

 ※会場に関する問い合わせ先:太田市企画政策課(電話:0276-47-1892)

【議論の仕方と参加者】

 「行政情報のあり方」について、住民協議会委員(※1)と市職員(※2)が全4回議論する。

 (※1)住民協議会委員:無作為に選ばれた1,300人の中から応募のあった32名の市民。
 (※2)市職員:担当課職員2~3名および無作為に選ばれた200人の中から応募のあった4名の市職員。

【主 催】太田市

 詳細は、太田市HPをご覧ください。https://www.city.ota.gunma.jp/005gyosei/0020-001kikaku-kikaku/2017-0710-jk.html

 ※上記2自治体【参加費】無料 どなたでも傍聴できます(事前登録不要、途中入退室可)

【お問合せ】 構想日本 伊藤・田中・今泉 TEL:03-5275-5607 E-MAIL:shiwake@kosonippon.org

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【2】7月の主な活動報告

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(1)政策実現活動

7月6日 兵庫県 第2回「かわにし市民会議」(住民協議会)
7月7日 和歌山県 第1回海南市住民協議会
7月11日 JUDGIT!記者会見
7月13日‐14日 広島県 三原市事業レビュー
7月27日 兵庫県 第3回「かわにし市民会議」
7月28日 和歌山県 第2回海南市住民協議会

※その他、首長や自治体との打ち合わせ等 32件

(2)テレビ等メディア掲載

7月1日 スポーツの送迎支援を 幕別町民ワークショップ 5提案、秋に報告会 「オリンピアンの町」実現へ 十勝毎日新聞
7月3日 福岡県/JAみい 農産品贈る 大刀洗町健康づくり事業に 西日本新聞
7月3日 清水町次期総合計画 協議会構成 無作為抽出で 道内初、幅広い世代参加 十勝毎日新聞
7月3日 海南市の課題 市民が解決策 7日から 交流施設テーマに討論 読売新聞
7月11日 “税金の使いみち” チェックできるウェブサイト 公開 NHK NEWS WEB
7月11日 国は何に、誰にカネを使っているのか 政府の全事業の予算をチェックするデータベースを作った人たちがいる BuzzFeed.News
7月12日 「国の無駄遣いチェック」 ホームページを公開 テレ朝NEWS
7月19日 税金の“使いみち”がチェックできるサイトが登場… 「成果が出ていない事業」は何? 担当者に聞いた FNN PRIME
7月24日 「ふるさと住民」募集中 市外の志布志ファン集まれ 出身者ら「関係人口」増へ 南日本新聞

 ほか3件
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【3】「特ダネではないけれど(32)老後の不安とは」

  新聞記者   松浦 祐子

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参院選後に行われた全国世論調査(朝日新聞)で、安倍晋三首相に一番力を入れてほしい政策を5択で聞いたところ「年金などの社会保障」が38%で最も高く、「教育・子育て」(23%)、「景気・雇用」(17%)、「外交・安全保障」(14%)、「憲法」(3%)という結果となりました。

国民の多くが、社会保障について何らかの改善を求めているということでしょう。ただ社会保障には年金だけでなく、医療、介護、生活保護など、様々な分野があります。このざっくりとした尋ね方では、国民の不安・不満のありかがどこにあるのか、はっきりしません。課題が明確でなければ、改善もできません。

社会保障の分野を取材していて常に感じるのが、行政と国民との間の「課題と認識」の違いです。

参院選の前に、金融庁の「高齢社会における資産形成・管理」に関する報告書で「老後資金として2千万円が必要」などと記されたことが、大きな話題となりました。

寿命が延びる中で、老後の準備をどう進めれば良いのか、見通しが難しくなり、多くの国民が漠然とした不安を抱えています。

一方で行政の側にとって年金は、社会保障の中ではすでに一定の改革を終え、しばらくは大きな変更は必要がないと受け止められています。

なぜならば年金は2004年の改革で、収支のバランスをどのようにとっていくのかが細かく決められました。当初は、基礎年金の国庫負担の財源がきちんとまかなわれていませんでしたが、それも、2014年の8%への消費増税で確保できるようになりました。インフレや人口の動きに合わせた制度の運用についても決まっており、財政赤字を垂れ流し続けるこの国の政策の中では、年金制度の安定性は優等生と言えます。そう簡単には、破綻しない仕組みになっています。

このような年金制度と比べて、医療と介護は将来のあり方が見通せていません。財源の多くを借金に頼る状況も改善されていないばかりか、医療や介護のサービスを担う若い世代がどんどん減っていくことが予想されます。たとえお金があったとしても、必要なサービスを受けることができないといったことになりかねません。

そのような事態を回避するためには、医療・介護のサービス提供のあり方だけでなく、国民の暮らし方、負担のあり方も再検討を迫られかねず、議論と準備には相当な時間がかかるとみられています。けれど本格的な議論は度重なる消費増税の延期もあり、始められていません。

そして、より根本的なズレは、制度に対する認識のズレです。

年金に関して言えば、霞が関で取材をしていると「日本の年金は、あくまで、現役世代の平均賃金水準の50%以上を確保するということを目指す制度だ」と口をすっぱくして言われます。そもそも年金だけでは、現役世代と同じような生活はできない想定ですが、どんなに長生きをしても、その水準は保証されます。

ただ、年金を受けとれるのは、現役時代にきちんと保険料を納めた人に限られます。非正規雇用などで生活に余裕がなく、保険料を払えなかった人は、老後により厳しい生活を強いられるという悪循環に陥りかねません。今後、何らかの対応策は必要となるでしょう。

現状でも、年金額が極めて低く、国の定める最低生活費に満たない場合には、生活保護から差額分を受けることができ、医療や介護の費用も負担せずにすむ仕組みもあります。もちろん高齢者の多くが生活保護を受ける社会が良いとは思いませんが、今の日本には、生きていくための最低限の制度は設けられています。しかし、これも国民には正確に伝わっていないようです。伝えられていない責任は、政府にあると思います。

ここで提案したいのが、政府による国民の社会保障制度への理解度を調べるアンケート調査の実施です。そのように思うのは、チェルノブイリ原発事故後にスウェーデン政府が、国民全世帯に原発事故に関するパンフレットを配った上で「それをどう理解したか」という調査をした話を聞いたことがあったためです。スウェーデンではその結果を検証し、情報提供のあり方を再検討したのです。

複雑で専門用語が多く使われる分野では、政府側にとっての「当たり前」が、国民の側にとってはそうではなく、大きな誤解が生じていることも考えられます。まずはそのズレを埋めていかなければ、議論の出発点にも立てません。認識がズレたままでは、政府と国民の間の不信感を高めることにもつながります。ズレを解消した後に、老後の不安を無くすための本当の課題が明らかになるのだろうと思います。

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松浦 祐子 (まつうら ゆうこ)
1974年 神戸市生まれ。大学院修了後、1999年新聞社に入社。和歌山、高知での地方勤務、東京での雇用、介護分野、厚生労働省、財務省担当、新潟で県政取材、内閣府担当を経て、今は再び厚生労働省担当。

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(編集後記)

国交省は東京オリ・パラに向け、羽田の国際線増便、都心上空を通す新ルートを計画。
S区の区議会は、羽田の新ルートに関して「全会一致で現計画の再考を強く求めている」
国は、都心上空の飛行高度を上げるなどの騒音対策を検討。ところで、根本的な再考は?

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